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2009年06月 アーカイブ

2009年06月02日

5月の走行距離

5月の走行距離は1,192km。

週末が半分くらい潰れてたわりにはそこそこマイレージを稼げた。
なんとなくだけど、トレーニングの効率化を徹底すれば月500-600kmくらいの走行距離で今くらいのフィットネスレベルは維持できるんじゃないかな~という気がする。あくまでなんとなく。

気温が上がってきた&やっぱり好きじゃないのでローラー台は週に1回くらい。
平日の朝練では多摩川まで出ることが少なくなって、15分くらいで行けてより効率的に走れる早朝の皇居・外苑あたりで30-60分くらいのメニューをこなすことが増えている。
休日の自転車活動も、60km-100km前後を朝のうちに集中して走って、昼前から休日らしい生活を楽しむ方向にシフトしてきた。

何だかんだいって、レースがあるとトレーニングの効率性を求める方向に頭が働いてしまうようだ。日帰りで走れるロングライドルートがネタ切れになりつつある、ということもあるのかもしれない。

体重は富士山に向けて順調に絞れていて、先週末から57kg台前半をキープ。思ってたより普通に57kg台を維持できているので、もう少しまじめに食餌制限すれば56kg台キープもいけそう。体脂肪率はアスリートモードで5%、一般モードで7%。ここのところ、アスリートモードでの計測だと5%に張り付いたままで、それより下に落ちないようだ・・・。

**

自己流でトレーニングメニューを考えることに限界を感じはじめているので、しばらく前にゲットした"Cyclist's Training Bible"を読み始めた。英語圏では"The Bible"と呼ばれるほどの定番本らしく、自分が持ってる第三版に引き続いて最新の第四版が今年の3月に出ていた模様。

もし来年までモチベーションが続いているようだったら、レースを意識したトレーニングからコンディション作りまで、この本を頼りにきっちりやってみようかな。趣味に時間効率を持ち込むのは野暮なこととは思いながらも「とりあえず走ったら勝ち」的な思考から脱却しないことには楽しい自転車生活は続かない予感がしている。

2009年06月04日

連光寺練

レース前にある程度負荷をかけておきたかったので、水曜日の朝は早起きして多摩川方面へ。

機材もレース仕様(FFWD F2R)にして、久しぶりの連光寺TT。
川崎街道沿いの緩い登りは40km/h前後でガンガン飛ばす。不思議と心拍数は上がりきらず、50x21の90回転キープで交差点を通過。交差点の通過タイム4:50は自己ベスト。

ここから先、登りでダンシングを使ってしまったのが裏目に出て下りでの加速に失敗。交差点をクリアーに抜けられたものの、その先の登りでアウター->インナーの切り替えタイミングをミスって少しだけ時間をロスしてしまった・・・。

7:51
174bpm
97rpm。

とりあえず、8分切りは達成。
このコースは短いし外的要因に左右されやすいからあまりよい指標にはならないのだけど、そこそこ悪くないコンディションであることは確認できた。

FFWD F2Rのライドフィールは相変わらず衝撃的。
面白いほどスムーズに加速してくれるのでついつい踏んでしまう。
Racing 3は練習用・ツーリング用ホイールとしてはよいけれど、レース用ホイールのよさを知ってしまった今となってはレースで使う気にはならない。

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そういえば、今年は乗鞍に当選したので夏の真っ盛りにひとつの山を持ってくることになりそう。6月末~7月頭は親族の結婚式で10日間自転車から離れた生活になる予定で、その後も月2回のペースで山登りの予定があるので自転車向けのフィットネスレベルを落とさないために色々と工夫する必要がある。

そんなわけで、8月半ばにある東京ヒルクライムNARIKIステージに参加予定。
結果を求めるってよりは、強い人に揉まれて刺激を受ける&これに向けて練習するモチベーションを高めるという意識。

2009年06月08日

第6回Mt.富士ヒルクライム

初参加のMt.富士ヒルクライムに29歳以下男子で出場。
結果から書くと、

1:10:00.73
169bpm
93rpm

という感じ。

1:10切りの目標はわずか0.73秒で逃した・・・。
1:08前後と予想していた入賞ラインは1:07:43でほぼ予想通り。ここに辿り着くにはもう一段階自分をグレードアップさせる必要がある。

はじめの3分くらいは心拍数が正しく取れていなかったので、平均心拍数は170bpmくらいかな。いずれにしても低い・・・。

以下、(思い出せる限りの)レース模様:

第三スタートの真ん中よりちょい前あたりからスタート。計測開始地点までは空いてたら出るという感じでジワジワ前へ。心拍数がうまく拾えておらず、40bpmとかになってて焦る。

交差点を曲がって加速して計測開始地点を通過。少ししてからラップボタンを押し忘れたことに気付く。はじめのうちは周りがやけにハイペースなので、それに引きずられないようにマイペースで走行(と言いつつログを見ると上がってしまっている)。料金所を越えた辺りからオーバーペースだった人たちのペースが落ちて、足並みの揃った人たちの塊ができはじめる。

スタート地点からよいペースで登っている人がいたので、はじめの4kmはその人から離れすぎないよう意識して踏む。4kmくらいのポイントで離れてしまったものの、後ろから3,4人の集団が来たのでそれに乗る。ペースを作ってる二人組が明らかに強いように見えたので、3番手のポジションをゲット。7km過ぎの斜度がゆるくなるポイントでは先頭に出てペースを上げる。ここで足を使ってしまったのがマズくって、そこから集団の最後尾についていくのがやたらとしんどい。結局、集団がいつのまにか中切れを起こした隙に強い二人組を逃してしまい、しばらくマイペースに戻る。

9kmあたりのポイントで足並みの揃った7,8人の集団が自然形成されたので、コアなメンバーはほぼ変わらないまま19kmあたりまでこの集団で走る。距離を重ねるにつれて集団を守る意識が高まってきて、中切れを起こしそうになる人がいると声が飛ぶ。ロードレースっぽくて面白い。スタート地点からしばらく目標にしていた人もこの集団に入っている。

この集団内での自分の定位置は最後尾。このあたりから心拍数が170bpmを切り始めて、パワーが出せない状態になる。恐らく前半に頑張りすぎたのが原因。辛くなったらダンシングを発動させて、なんとか集団に食らいついていく。

19km-20kmのあたりでダンシングしたら前に飛び出てしまったので、そのまま一人旅か・・・と思ったら、シッティングに戻した瞬間にガクッとペースが落ちて、集団に抜かれてそのままサヨウナラ。21km過ぎのフラット区間では3人の集団ができたので、ローテーションで前を引いて・・・と思ったら後ろにつき損ねてまたもや一人旅。ゴール前の最後の登りは踏みたくても全然力が出ず、ヘロヘロのダンシングでようやくゴール。

**

はじめの8-9kmで無理をして、足を使いすぎてしまったことが一番の反省点。ヒルクライムでは無理をしてしまうと途中で回復ができないので、致命的なタイムロスに繋がってしまう。今回は中盤で集団に残ることでタイムロスを最小限にくい止めることができたのがよかった。

とはいえ、やはり自分はマイペースで登る方が得意だなぁということを再確認。アスリートクラスならいざ知らず、ヒルクライムTTでは終始マイペースを貫くことが大切なのだと感じた。

前半飛ばし気味で後半そこそこのペース、ということでパワー計算から出てきたタイムとほぼ同じタイムになった。よほど大きな外的要因or失敗がないかぎり限り、ヒルクライムTTのタイムの誤差は1-2%くらいに収まるような気がする。この「練習量が結果に直結している」ところがヒルクライムのよいところでもあり、残酷なところなのではないかと思う。

集団内でのポジショニングや、頑張りすぎるとあっさりチギれてしまうこと、それに最後まで足を残しておくことの重要さなどなど、色々と勉強になるレースだった。

天気はバッチリ。
結果は・・・それなり・・・。

第6回Mt.富士ヒルクライム・雑記

レース以外のことについてじゃらじゃら書いてみる。

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遅刻

土曜日は輪行ベースで現地入り。新宿発の中央特快でじゃむさんと合流するはずが、電車の時間を1時間間違えて特急を使って追いかける羽目に・・・。あ~、我ながら遅刻の常習犯ですね。ほんとすみません。>じゃむさん

心配していた天気は富士急行で富士吉田が近づくにつれて青空までもが見え出して逆に暑いくらいだった。

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Powercranks/Garmin Edge 705日本語版

会場で出展しているブースを見た中で、自分的に面白かったのがPowercranks。これは左右のクランクが独立して動く変態クランクで、非常に効率的なトレーニングができるのだそう。130rpm~のハイケイデンストレーニングは筋肉よりも神経系を鍛えるトレーニングだというけれど、これはこれで確かによいトレーニングになりそう。

問題は、トレーニング用バイクにこれをつけてしまうと普通に走ろうとしたときにいちいちクランクを付け替えねばならないこと。このあたりの問題を解決できないと、キワモノで終わってしまいそうなのが惜しい。

あとは、GarminのブースでEdge 705の日本語版がフィーチャーされていて、なかなか盛況だったのが印象的。恐らく台湾でなされたであろう日本語翻訳は少なからず不自然で、ディザリングのかかってない日本語フォントなので見栄えもいまひとつ。とはいえ、日本語表記の地図はやっぱりいいなぁ・・・。

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カレ吉/紅富士の湯

土曜日夕ご飯は宿からテクテク歩いて「カレ吉」というカレーうどん屋さんに行ったのだけど、この店は当たり。富士吉田名物のうどんに薬膳カレーという組み合わせが絶妙で、最後にご飯を入れて食べると幸福感マキシマム。

レース当日の朝は4:00前に起床。前日コンビニで買い出ししておいたおにぎりx3で朝食を済ませ、宿まで迎えに来てくれたチームメイトのOzyさんと合流して現地へ。明治大学グランドの駐車場はマッディーだったものの、会場までもそこそこ近いので、アップをしてからのんびり向かって6:00過ぎには現地入りできた。


Ozyさんの移動型秘密基地。素晴らしいっす。

レース後は気持ちのよいサイクリング気分で会場から駐車場に戻り、山中湖方面に行ったところにある紅富士の湯でサッパリ。ここは700円の割に設備がしっかりしている&キャパシティーもあって、裾野の原生林の向こうに富士山が見えるナイスな露天風呂が楽しめた。

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その他

(ちょっとだけ悩んだ)アスリートクラスに出なかったのは正解。最低でも1:05を切れるレベルにならないと、無理に集団についていこうとしてタイムを落としてしまうのがオチ。ヤビツで31分(コンビニから)出してる右京さんが1:15と奮わなかったのは、この罠にハマったせいだと予想。

レース向けのコンディショニングはちょこっとだけ失敗。トレーニングで累積的に溜まった疲れが足に残っていて、当日の朝まで軽い筋肉痛が出てた。恐らく、体重を落とした&節制生活のせいで回復が遅れたのが原因。やはり、自分のベスト体重は58kgくらいと思った方がよさそう。

**

というわけで、Dot3のチーム員のみなさまには大変お世話になりました。
ありがとうございました&次はもっと頑張ります!

2009年06月10日

スクラップ&ビルド

2009年前半の自転車レースが終わったので、自転車活動は一休み。
次のピークは8月終わりの乗鞍に持っていきたいので、それに向けたトレーニングを考えつつ、しばらくは怠惰な生活を楽しむ予定。

**

・・・で、乗鞍の目標はズバリ「65分」。

計算上、Mt.富士ヒルクライムでは248W@70分出せていたので、それを257W@65分にする必要がある。恐らくこの10Wこそが入賞圏外と入賞圏内を隔てている「大きな10W」。この近くて遠い目標を達成するには、もう一歩踏み込んだ内容のトレーニングを積み重ねていく必要がありそう。

今年の前半までは、自分の弱点が心肺能力だと思っていたのでエンデュランス系のトレーニングを多めにしていたのだけど、今回のMt.富士ヒルクライムでボトルネックが筋肉(主に筋持久力)になりつつあることを実感したので、負荷をかけたトレーニングを増やしてちょうどよいバランスが取れるようにしたい。

レース後のこの時期は、Cyclist's Training BibleでいうところのTransition Period(移行期間)。(体力を著しく低下させない程度に)自転車以外の遊びを充実させて、目標(乗鞍)に向けたBuild Period(構築期間)に備えることにしよう。

2009年06月11日

コンコール・スーパーコルサ

Master X-Light号のサドルをSelle SanMarco Concor Supercorsa Vintageに変更。

セラ・サンマルコの「コンコール」というと、ランスが現役時代(今も現役だけど・・・)にこだわって使い続けた「コンコールライト」が有名。今回ゲットしたのは09年モデルとして販売されたオリジナルバージョンの復刻版。スエード生地のサドル表面といい、サイドが深く回り込んでレールを隠しているスタイルといい、いかにも80年代的。
究極的に「フレームを選ぶサドル」だと思う。

完成車についてたSelle Sanmarco Ponzaも悪くないサドルだったのだけど、

- 刺繍部分でレーパンが痛む
- 長距離走るとお尻が疲れる

点が気になってた。
とか言いつつ、Ponzaは街乗りTIME号のためにもうひとつ別にゲットして使っているくらい気に入っているので、コンコールに問題が出たらいつでも戻る準備はOK。

Extreme-Power号につけているSelle SanMarco Aspide FXは、超軽量の割に座り心地も悪くないのだけど、200kmオーバーの距離を走ると股間にダメージが残ることがあった。大きな負荷をかけないロングライドには、積極的にMaster X-Light号を出動させたいという魂胆があるので、少しでも楽なサドルを装着しておこう、というのが今回のサドル交換の主旨。

個人的に、サドルはほんの少しだけ前上がりにするセッティングが好みなのだけど、コンコールはいかに前上がり側に倒しても「やや前下がり」にしかセッティングできないようだ。あと、サドル上面が少し高くなってしまうので、シートポストを下げる必要があった。

実際に走った感触としては、

- 座り心地は上々
- ペダリングもしやすい
- スエード生地の摩擦で尻がズレない

・・・という感じでなかなかよさげ。
次にMaster X-Lightで遠出するのが楽しみな今日この頃だ。

2009年06月12日

The Cyclist's Training Bible

"The Bible"を一通り読んだのでレビュー。

定番本だけあって、自転車のトレーニングについてよくまとまった本だと思う。ポジションがどうとかパーツがどうとかいったことには一切言及していなくて、ただひたすらトレーニングの理論&実践方法について書かれている。
平易な英語で書かれているので読みやすい。

この本のポイントになっているのは、基本的なレース能力としての持久力(Endurance)、筋力(Force)、走行能力(Speed Skill)の三つの要素からなる三角形。自分の強いところと弱いところとを洗い出し、目標とするレース&結果を軸に三角形のどこを鍛えればよいのかを考えつつ、ペリオダイゼーション理論(Periodization)を用いたトレーニング計画を立てる手助けをしてくれる・・・というのがこの本の大きな枠組み。

Periodizationとは、シーズンが始まる前に目標を設定し、そのレースでベストなパフォーマンスが出せるよう、何ステップかの期間を設けることで効果的なトレーニングを行うための理論。トレーニング理論としては一定の評価を得ているようだけど、スケジュールが変更になってしまった際に対応しにくいとか、目標を2つか3つに絞る必要があるとか、いくつか問題点が挙げられているようだ。

「レースに向けて段階的にトレーニングを変化させていく」という考え方は既に一般的になっているので、Periodization自体は目新しいものではない。現実問題として、トレーニングが全て予定通りにこなせるわけはないので、「ざっくりと計画を立ててそれを実行していく」ための指標程度に考えたほうがよさそう。

自分の弱点を見つけるテストプログラムを実践していくにはパワーメータの利用が(ほぼ)必須。トレーニング時の利用に関しては深く触れていないあたり、まだパワーメータがアマチュアサイクリストにとって高嶺の花だった時代(今もだけど)の本なのだなぁという感じ(初版は1995年)。このあたりは2009年になって出たForth Editionで変わっているのかも知れない(自分のやつはThird Edition)。

「聖書」だけあって、サイクリスト向けの筋トレやストレッチの方法、食事の取り方やリカバリーの方法などなど、サイドディッシュ的な情報も詰まっている。長いことアスリートのコーチをしてきた著者らしく、理論的なことと実践的なことがうまく織り交ぜて書かれているのが素敵。

「レースで結果を残す」ことを前提にした本なので、ある程度目的意識を持っている人にとっては大いに使える本だと思う。逆に言うと、ただ漠然と「速くなりたい」意識で自転車に乗ってる人にはおすすめできないかも。

2009年06月13日

Jim Meyerさんのインタビュー

期待&注目の新興パワーメーターメーカー、Quarq社を立ち上げたJim Meyerさんのインタビューを発見。

http://nyvelocity.com/content/equipment/2009/tech-talk-quarqs-jim-meyer

1月の記事なのでちょっと古いけど、面白かったのでメモ。

- Cinqoの当初の狙いは「ワイヤレス」で「SRMと同じような性能」で「Powertapのように安い」パワーメーターを出すことだった
- 開発を始めた頃はAnt+は存在しなかったものの、Antを使うことは決めていた
- Qraniumの開発は停滞気味。開発中はAnt+を喋る機械がなかったけど、今はもうEdge 705があるからオタク向けのおもちゃとしてしか出す意味がない
- 二世代目のCinQo Saturnになってからボルト穴の円周にリングが繋がったのは、キャリブレーション精度の向上と製造時の歩留まりを上げるため
- iPhoneとお喋りできるようになったら素敵だけど、現在提供されてるSDKだと自由に外部ハードウェアと通信できないから無理っぽい(それ以外にも、ヘッドユニットとして使うのに問題は多い)
- CinqoはSRMに比べると50gくらい軽い(はず)

Cinqoの設計思想や測定方法、それにキャリブレーションなどに関する細かい話が詰まっているので、興味のある人は必読の内容。

**

パワーメータは、シーズン中に導入してしまうと練習方法を確立するのに手間取りそう&来シーズン以降のお楽しみとしたいので、手を出すとしたら11月以降になりそう。

- 相変わらず高嶺の花のSRM(製造方法を変えないとコストダウンは無理っぽさげ)
- ホイール選択が悩ましいPowerTap(練習用と割り切るならあり)
- 出たばかりで実力が未知数なCinqo(今のところ評判は上々だけど、日本からの入手性&サポート体制に難あり)

・・・という2009年の状況は、来年にも継続しそうな雰囲気。今このタイミングで手を出してしまってもそんなに悔やむことにはならなさそう・・・かな?

一時期は練習用と割り切ってPowertapにしようと心に決めていたのだけど、Cinqoが思ったよりよさそうなので現時点ではCinqoにする可能性が高そう。SRMにせよPowertapにせよ、何かしら問題が起きたときは本家に相談することになるような気がするので、現行世代のCinqoが中~長期の利用にも耐えられるようであれば、もう悩むことはないかなぁという感じ。Cinqoには浸水する問題があったようだけど、最新の出荷製品では改善されているっぽい。

まだもうしばらく時間的余裕があるので、最新のパワーメータ事情をネチネチとウォッチしていくことにしよう。

2009年06月16日

ツール・ド・フランス 1986

NHKによる1986年のツール・ド・フランスのDVD。
イノーとレモンの走りが見たかったので、ゲットして鑑賞。

何が面白いって、清々しいほどに「分かってない」解説。
レースシーンを追うっていうよりは、「1986年のツール・ド・フランスをドキュメンタリータッチで取り上げた番組」という立ち位置なのだけど、どうひいき目に見てもドキュメンタリー番組としては失格の出来。ロードレースのことを知らない人にも楽しめるようにという親切心が見事に裏目に出てしまっている。

付属するリーフレットの中で市川雅敏さんがいちいち突っ込んでいるように、1980年代当時にはロードレースのことを理解している日本人はまだまだ少なかったんだろうなぁ~と思わせる内容。まぁ、イノーとレモンのドラマをドラマとして楽しむのには悪くない・・・かな。

個人的には「アピュイ・ドセル」という空力改善パーツが面白かった。エアロフローをよくするためにサドルの後ろにくっつけるフィンのようなもので、フィニョン擁するシステムUチームがプロローグで1回だけ使った後、ルール違反として使用禁止になってしまった「幻のパーツ」。

あとは、ペラトンの前を走ってる車の上でおっちゃんがバイオリン弾いてたりとか、最近のマジっぽい雰囲気の漂うツールとは少うお祭りっぽい雰囲気もよかった。

2009年06月20日

得るは難く、失うは易き

今日は久しぶりに皇居へ。
富士山のレース後にトレーニングをサボっていたので、どのくらい体力が落ちたかしら・・・と思ったら想像以上に落ちてた。

30.2km
54:34
164bpm

- トレーニングは週1-2回
- 間食し放題(アイス含む)
- 飲み会規制なし
- 夜更かしアリ

・・・の割に体重は58kg台をキープしていて、ローラー台でシャカシャカ回すことには困っていなかったのだけど、やはりアップダウンのある実走だと全然駄目。
自分の場合、特に心肺能力が落ちやすいようだ。

来週から10日ほど自転車ナシの旅行に出てしまうので、ランニングシューズとEdge 705を持っていってジョギングをすることにしよう。

はじめてのロードレーサー

最近我が家に遊びに来た知り合いが、ロードバイクに興味があるとのことで相談を受けた。

- 長くつきあえる自転車が欲しい
- 細身のクロモリフレーム(ホリゾンタル)が好み
- 当面レースには出ない予定(平塚在住なので、近所を気持ちよく走りたい)

・・・とのこと。
これまさに2年半前の自分と全く同じ状況。「恐ろし(く楽し)い世界」へようこそ。

AnchorのRNCと、COLNAGO Master X-Lightを検討していたようなのだけど、我が家のMaster X-Lightを見て目を輝かしていたので、COLNAGO仲間が一人増えることになりそう。今年中にマラソンでサブスリー達成しようとしているアスリートだから、ひょっとすると1年もしないうちにあっさり追い抜かれてしまうかも知れない・・・。

随分前から海外の自転車レースを見ていたらしく、細いシルエットのホリゾンタルフレームがかっとんで行く姿に惹かれるものがあるらしい。
うんうん、ほんとそうですよね~という感じ。

**

スポーツバイク経験はない(小径車のみ)とのことだったので、とりあえず今の自分から言えることを一通りアドバイスしてみた。

- ロードレーサーを乗りこなす上で一番大切なのは自分の身体にフィットしたフレームサイズであり、それに合わせたポジション
- 鉄フレームでも十二分によく走る
- (特に初心者のうちは)お世話になることが多いので、安さに釣られたりせずに近所の経験豊富なお店で相談したほうがよい
- コンポーネントは105/Veloce以上であれば十分
- ロードレーサーはレースの道具なので、サイクリング気分ではじめてもレース志向になりがち

・・・という感じ。

やはり、はじめてのロードレーサーを考える上で一番ハマりやすいポイントはサイズなんじゃないかなぁ~と思う。サイズのあわないフレームを選んでしまうと、いつまで経っても快適に乗りこなすことができないし、最終的にフレームを買い換える羽目になったりして高い買い物になってしまう。

自分とロードレーサーとの出会いで最も幸運だったのは、一台目を買ったお店の店長さんが選んでくれたのがピッタリサイズの自転車だったこと。2年半前に組んでもらったMaster X-Lightは、今でも1cmとポジションを変えずに乗れていて、同じジオメトリのExtreme-Powerにも違和感なく乗ることができている(逆に言うと、一番はじめからスパルタンなセッティングで組んでくれたってことらしい・・・)。

そんなわけで、はじめてのロードレーサーに手を出そうとしている人や、いつまで経っても快適に走ることができない人は、経験豊富な店員さんに身体を計ってもらうことをおすすめしたい。さらに理想を言えば、ジオメトリを調整できるスケルトンフレームに乗せてもらえれば言うことなし。

それでも、ある程度の目安が欲しい(そもそも希望するフレームには自分にぴったりのサイズがないかもしれない)という場合には、以下のウェブサイト/エクセルシートが便利。

https://www.wrenchscience.com/Secure/Fit/Height.aspx?stylecode=R

http://antonyl.brinkster.net/beatnik/Biomechanicalcyclingv8english.xls

あくまで参考情報でしかないけど、両方とも割とイイ線の数値が出ているような気がする。

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あと、「ロードレーサーがレースの道具」ってのは、最近自分が強く感じていること。ロードレーサーは、チギってチギられてアルプスの山を越え、恐ろしいスピードで山を下り、ゴール前でスプリントして・・・というレースの中で進化してきた乗り物だから、乗り込んでいくと「もっと遠くまで」「他の人より」速く走りたいといった欲望がムクムクと頭をもたげてくる。この欲望自体はあくまで自然かつ健全なものだと思うのだけど、最近の日本ではスポーツ自転車としてのステップアップ先がロードバイク一択になっているような気がして、正直どうなのかな~と思わなくもない。

スポーツ自転車の走行性能を突き詰めていくことで(ひとつの究極として)ロードレーサーに辿り着くのは当然の成り行きだと思うのだけど、本格的なレース活動をしない多くの人にとってロードレーサーの戦闘力は過剰で、必要以上に乗り手を好戦的にしてしまう傾向があるような気がする。

恐らく、この状況を作りだしているのは、文化としてのサイクリングよりも、スポーツとしてのサイクリングが世間にウケているという現実。例えば、泊まりがけの自転車旅行では、積載能力ゼロのロードレーサーは役に立たないから、必然的にマウンテンバイクやクロスバイク、あるいはランドナーといった自転車を選択することになる・・・のだけど、道路網が発達しすぎて都市部近郊で魅力のあるルートが減ってしまった現在、泊まりがけの自転車旅行は時間に余裕のある学生くらいしか楽しめない「贅沢」なものになってしまったのではなかろうか。

スポーツ文化に関して言えば、アメリカ発祥のスポーツ革命(と勝手に自分が命名している)の影響で、ヨーロッパ発祥のスポーツ文化に構造変化が起きているなぁ、という実感がある。これは、既存のスポーツのオイシイところだけを取り出して、より「クイック」で「ファン」な形で再パッケージ化したもの、というのが自分の解釈。例えば、いわゆる「登山」に対する「フリークライミング」だとか「ボルダリング」、それに「トレイルラン」だとかいったものはその典型例。

山に入るまでのアプローチが長く、山に入った後もむき出しの自然と闘い続けねばねらない登山は、これから先もしばらくの間はスポーツ革命の影響を受けずに済みそう。逆に、「マウンテンバイク」や「ロードバイク」といったアメリカンなカテゴライズによる洗礼を受けた自転車文化では、ランドナーやスポルティーフといったサイクリング文化の担い手達が絶滅に追い込まれてしまったのかなぁ~と思ったりする。

**

まぁ、細かいことは置いといて、スポーツ自転車としてのロードレーサーは最高に楽しいものだと思うので、よりたくさんの人がそれぞれの楽しみ方で(人に迷惑をかけない範囲で)長くつき合っていければよいのかな。

2009年06月22日

自転車記事あれこれ

山登りの装備や蘊蓄、黒部川源流域の情報が豊富で、ちょくちょく参考にさせてもらっているウェブページ「町内の山」を書いている方が、最近は自転車にハマっているみたい

富山県だと、広い道を外せば走りやすい道がいっぱりありそうだし、遊べる裏山にも恵まれてそうなので、ロードバイクでもマウンテンバイクでも存分に自転車遊びが楽しめそう。剱やら立山を見ながらサイクリングなんてうらやましいなぁ(じゅるり)。

・・・という日記を書いたのが1週間前。
改めてウェブページを見に行ったら、早速ロードバイクを購入されたようだ。目出度い!

それにしてもクロスバイク->ロードバイクの移行に2~3ヶ月しかかかっていないのはすごい。
自分は通勤用クロスバイクに2年くらい乗って、100kmくらい走るサイクリングを何本かやるようになってからはじめてロードバイクが欲しくなったのだけど、どうやらこれは長い部類に入るみたい。

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あと、最近読んだ中で、こちらの記事が面白かった。
パフォーマンスの考察

二十歳くらいまでにやってたスポーツキャリアで自転車の走行能力の最大値が大体決まってしまう・・・ってのは、多くの中年サイクリストにとって夢も希望もない話なわけだけど、確かに一理あるかも。

ペダリングスキルや心肺能力に関しては、トレーニングによって(比較的短期間で)大幅な向上を期待できる実感があるけど、人それぞれの脚質が大きく変わることはないってのも実感としてある。そしてこの脚質に最も大きな影響を与えるのは、単純な身長や体重ってよりも、筋肉のつき方ということらしい(まぁ、結果的にこれが身長・体重に現れてくるわけだけど)。

自分にとってのパフォーマンスの「素地」は、なんといっても小学校の頃からやり続けているテニス。瞬発系の能力には自信があるけど、持久系はからっきしだめだった記憶がある。持久系の能力は後付けで伸ばしやすいと聞くとちょっと安心。

そういえば、新城選手の体重が67kgってのは知らなかった。
身長170cmに対して67kgってのは思ってたより大分重い。それでもヨーロッパのレースで十分に勝負できているわけだから、筋肉の塊みたいな身体なのだろう。

自転車のヒルクライム競技では、ただひたすら体重を落とすことばかりに目がいきがちだけど、必要以上に体重を落とさないことも大事なんじゃないかと思う。少なくとも自分に関して言えば、体重を落としすぎると回復も遅れるし、筋肉が先に悲鳴を上げることが多くなってしまうので、節制生活をしないで維持できる58kgくらいがベストのようだ。

2009年06月23日

改善?改悪?

Garmin Edge 705のファームウェアが2.8にアップデート。
アップデートを実行すると、自動的に機器設定が全てリセットされてしまうので(プロフィールは残る)要注意。

変更点に
Corrected issues from 2.70 that could possibly corrupt the 'History' directory.
とあるので、2.7から発生していたログファイルが読み取り不能になってしまう症状は改善されたようだ(自分は3回くらい遭遇)。

それにしても、Edge 705のファームウェアは、リリース毎に着実に新たなバグが仕込まれてるような気がする。1年くらい前に使い始めた頃からある走行中のハング問題(特にWorkout->Courseを使ってるとなりやすい)も改善されていないようだし、今回の2.8でも英語圏のフォーラムで色々と叫び声が上がっているし、品質管理・フィールドテストが十分にできていないままにリリースされてしまっているような印象を受ける。

Edge 705にいわゆるサイクルコンピュータと同じような安定度を期待するのは難しいことは分かっているのだけど、もう少しソフトウェアを枯らせる努力をして欲しいな~と思う。

Garmin製品全般に言えることとして「ヤバい問題が起きたらハードリセット」ってのは基本らしい。まだ自分はお世話になったことはないけど、ドツボにはまってしまった人はお試しあれ。
ハードリセットの方法はこちら

2009年06月24日

カンパホイールの2010年モデル

カンパのオフィシャルリリースが出てた。
http://www.campagnolo.com/jsp/en/newsdetail/newsid_96_newscatid_3.jsp

Zondaが2-way-fitになったことと、全体的にグラフィックスが派手になっただけで、ニューモデルの投入や革新的な技術の投入はなし。写真で見る限りだと、チープでお下品なグラフィックスになっているような印象を受けるけど、実物を見ればそれなりにまとまってるのだろう(この点に関してカンパは信頼できる)。

カタログ上で10年選手に近かったNeutronはついにディスコンかな?
G3ではないスポーキングと地味なグラフィックスが気に入っているのだけど、オフセットリムといい露出してないニップルといい、さりげなく作るのに手間の掛かるホイールだと思うので、よく今まで続いてたなぁと思えなくもない。

それにしても、これでますます古典的なクロモリフレームにあわせるホイールの選択肢がなくなってしまうなぁ。ロープロファイルでそこそこの性能のホイールというジャンルが消滅しつつあるから、いよいよ手組みに走らないとクラシカルなノリの自転車を組めなくなってしまうような気がする。


(中学校の同級生、N君のCinelli Super Corsa。渋い!)

**

ちなみに、手元のCampagnolo本を読む限りだと、1992年にカンパが出したSHAMALが業界初の「完組ホイール」だったとのこと。

初期モデルのSHAMALは完組であることのメリットを生かすためにNeutronと同様のリム内蔵ニップルを採用していて、40mmオーバーのリムハイトも合わせて、当時のカンパニョーロの「自転車パーツ業界をリードする」意気込みが伝わってくる革新的なホイールだったようだ。

About 2009年06月

2009年06月にブログ「鈍行・中目黒の自転車メモ」に投稿されたすべてのエントリーです。過去のものから新しいものへ順番に並んでいます。

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次のアーカイブは2009年07月です。

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