新教養主義宣言 - 山形浩生
やれやれ、山形浩生か・・・。
久しぶりに何の脈略もない本が読みたくなって手に取ったら、久しぶりに全然関係ない情報に沢山リンクが張ってあってびっくりした。
人生とは偶然性と連続性の連関であることがまた照明されたわけだ。
よくよく考えると山形浩生本人の文章を読んだのはこれが初めてかもしれない。コモンズだとか、伽藍とバザールなんかは読んだ覚えがあるけれど、不思議と彼本人に対して興味を抱くことはなかった。
まぁ、あの独特の語り口と、異様なまでの自信のありっぷりに引いてたってのが本音なのかもしない。
あぁそうだ、比較的最近読んだ「自由は進化する」も確か彼の翻訳だった。
それにしても、きちんと彼のことを調べてみるとやはりそれなりに面白い人だ。今の日本で世界をしっかり見て、それなりにまともなことをゴチャゴチャ言ってて、しかもそれなりに世間の評価を受けている人間、というのはあまり多くはない。
彼があっちこっちで発表したりした適当な雑文が漠然と並べられているこの本だけど、旅に関することとか岡崎京子に関することとか、ちょっとグっとこさせてくれるものもあれば、馬鹿馬鹿しいけど考えてみると楽しい文章まで色々揃っていて楽しませてくれる。
プロジェクト・杉田玄白の設立における青空文庫批判もとてもまっとうなものだし(事実、青空文庫が「狭い」という感触はみんな持ってるでしょ?)、知識の絶対的な量でいったら彼に勝てるのは立花隆くらいのもんじゃないだろうか?まぁ、そんなことどうでもいいけど。
とにかく、久しぶりに色々やんなきゃだなぁ(もう結構限界きてますけど)、とインスパイアしてくれた本だったので長々しくゴチャゴチャと書いてみた。やっぱ人間やってもやってももっとやるべきな運命にあるものなのね・・・。