2009年05月31日

サハラに死す - 時事通信社

旅行記・写真


Title: サハラに死す―上温湯隆の一生 (講談社文庫)
Author:
Price: ¥ 509
Publisher: 講談社
Published Date:

前から読みたかったので、中古本を入手して読んだ。

高度経済成長路線をひた走っていた1970年代の日本を離れ、ラクダによるサハラ砂漠横断という夢に青春を捧げた青年・上温湯隆(かみおんゆ・たかし)君の物語。高校を中退して旅に出た彼が、旅の最中につけていた日記と、家族に宛てた手紙で構成された本。

いや~、青くて、若くて、切なくて・・・よいですね。オヤジになるにつれて、こういう無鉄砲な試みから心も身体も離れてしまうものだけど、若者らしい言葉が綴られたこの本は胸にジーンとくるものがある。この本に記録されているのは、自分と外の世界との繋がりについて悩み、苦しみ、何か目標を見つけてそれを達成していくことでその繋がりを再確認しようともがきつづけている「ごく普通の若者の姿」だ。これがいい。

大学受験をしてそこそこの大学に入り、そこそこに青春を謳歌してそこそこの仕事に就いて・・・という道から外れ、まだ誰もなしえなかったことにチャレンジすることを選んだ若者は、7,000キロの旅の途中であっけなく命を落とす。

勝手な解釈をすると、彼が日本を離れたのは一種の集団ストレスのようなのものなのではないかなぁ、という気もする。あまりにも多くの人間が周りで同じようなことをやっている状況に接すると、自然とその道を離れてしまいたくなる人間はどこにでもいるものだ(自分もどちらかというとそういうタイプ)。

2009年05月30日

グレッグ・レモン - サミュエル・アプト

スポーツ


Title: グレッグ・レモン
Author: サミュエル・アプト
Price: ¥ 2,625
Publisher: 未知谷
Published Date:

アメリカ人初のツール・ド・フランス優勝者であり、銃の暴発事故から奇跡的なカムバックを果たしたグレッグ・レモンのドキュメンタリー。

グレッグ・レモンが語ってきた言葉を繋ぎながら、1990年に彼に彼が3回目のツール優勝を果たすまでのキャリアが綴られている。上手に編集された「ただマイヨジョーヌのためでなく」とは悪い意味で対照的で、読んでいてかったるい印象を受けてしまうのは×。当時のレースシーンをある程度頭に入れておき、その様子を思い浮かべながら当事者達の話を聞くような形で読むのが正しい楽しみ方なのだと思う。

ハングリー精神でのし上がってきたランスとは対照的に、比較的裕福な家庭に育ってアメリカ的ノンビリズムを身につけたレモンがヨーロッパらしさが凝縮されたロードレースの世界で成功していく姿がなかなか印象的だった。

2009年05月28日

三四郎 - 夏目漱石

小説・詩集


Title: 三四郎 (岩波文庫)
Author: 夏目 漱石
Price: ¥ 420
Publisher: 岩波書店
Published Date:

前から読もうと思っていて、読んだらやっぱり面白かった。

九州の田舎から上京してきた大学生の三四郎が東京での大学生活に戸惑いを覚えながら馴染んでいく様子が淡々と描かれた教養小説・・・とでも言えばよいのでしょうかね。淡いラブストーリーの描かれ方もさりげなくてよいし、三四郎の周りの人たちの描写、それに当時の大学生達の生活や彼らがどんな思いで大学生活を送っていたかも考えさせられるところがあって興味深い。

漱石が憧れ続けた「高等遊民」の典型例として登場する、広田先生という都会的で洗練された知識を持つ(それでいて特にこれといった野望も持っていない)キャラの存在が面白いなぁと思った。

2009年05月27日

無駄学 - 西成活裕

エッセイ・対談


Title: 無駄学 (新潮選書)
Author: 西成 活裕
Price: ¥ 1,050
Publisher: 新潮社
Published Date:

期待してたほど面白くなかった。

「そもそも無駄とはなんぞや」というところを科学的に定義しようとしたあたりから雲行きがおかしくなりはじめて、途中からは著者の身の回りで無駄をなくしてきた事例を散発的に紹介するだけという、第三者にとってはっきり言ってどうでもいい内容に堕してしまっている。

前著の渋滞学(まだ読んでないけど)が売れたらしく、「あのノリでお願いしますよ、センセ」的口車に乗せられて出しちゃった感じの本。

「経済発展」を前提とした社会に関する違和感や、この本のメインテーマであるところの「無駄を科学しよう」という試み自体には共感ができるものがあるのだけど、あまりにも中身がなくてビックリ。

2009年05月22日

ロングライドに出かけよう - 米津一成

スポーツ


Title: ロングライドに出かけよう
Author: 米津 一成
Price: ¥ 1,365
Publisher: 河出書房新社
Published Date:

同じ著者による「自転車で遠くへ行きたい。」の続編的内容。

前作が「ロングライドの面白さに目覚めてしまった著者が語るロングライドの楽しみ」だとすると、今作は「ロングライドで距離感覚がおかしくなってしまった著者によるロングライドの勧め」とでも言うべき内容で、より実践的・実際的にロングライドを楽しむ方法や、著者の身の回りの距離感覚がおかしくなってしまった人たちの生の声が紹介されている。

どうやら最近の著者は「ブルベ」にどっぷりのめりこんでいるようで、ブルベに関する記述が多い。ロングライドの一つの形としてのブルベはアリだと思うのだけど、真っ暗闇や雨の中をひたすら走り続ける・・・と聞くと、どうも自分の趣味にはあわないなぁと思ってしまう。

まぁ、レース志向の自転車乗りも、突き詰めていけばモルモットみたいに家の中で自転車を漕いだり、トレーニングという名の下に同じコースを延々と走り続けたりするわけだから、どっちもどっちと言えるような気もするけれど・・・。

自転車で遠くまで走ることに人生を重ね合わしてしまう著者の自転車&ロングライドへの愛が詰まった一冊。

2009年05月21日

ツール100話 - 安家 達也

スポーツ


Title: ツール100話―ツール・ド・フランス100年の歴史
Author: 安家 達也
Price: ¥ 2,625
Publisher: 未知谷
Published Date:

ツール・ド・フランスにまつわる100の話がまとまった本。

2002年までの100年間のうち、実際にレースが開催されたのは90回。毎回の優勝者を中心に、レースを巡るドラマがよくまとまっていて、コラムも充実している。

それにしても、ツール・ド・フランスというレースでは毎年毎年凝りもせず「何か」が起きる。そりゃまぁヨーロッパ中・世界中から集まってきた血気盛んな剛脚自慢達が人力の乗り物で山あり谷ありのフランスを3週間もかけて1周するわけだから、「何も起こらない」はずがないわけだけど、100年間の歴史を通じてあの手この手で大会を盛り上げることに成功してきたフランス人はスゲェなぁと思う。

自転車レースに興味のある人であれば楽しく読めることであろうこと間違いなしの良書。

2009年05月19日

乳酸を活かしたスポーツトレーニング - 八田秀雄

スポーツ


Title: 乳酸を活かしたスポーツトレーニング
Author: 八田 秀雄
Price: ¥ 1,890
Publisher: 講談社
Published Date:

主に持久系スポーツで「疲労物質」として目の敵にされている乳酸がいかに生成されて、それがいかにして再利用されるか・・・ということを説いた本。

乳酸が生成されるのは、ある一定以上の強度の運動によって、体内に保存されたグリコーゲンが急激に燃やされるような状況。この閾値のことをLT(Lactate Threshold(ATとほぼ同じ))と呼び、一旦生成された乳酸は乳酸を酸化する能力が高い(=より多くミトコンドリアを含む)遅筋でエネルギーとして利用される。

低負荷の持久系スポーツを行うことで、ミトコンドリアが増加と筋の毛細血管の増加及びMCT1(乳酸の細胞間通過を助ける乳酸トランスポーター)の増加を期待することができる。乳酸の酸化量が増えることでLTが上がり、より高強度の運動を長時間続けることができるようになる・・・という仕組みらしい。

同じ著者による「エネルギー代謝を活かしたスポーツトレーニング」のほうがよくまとまっている印象を受けたので、どっちかを一冊読むということであればこちらのほうがよさそう。

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"Thousand Words" とは、イギリスのパブリックスクールで生徒に対して与えられる罰則のひとつで、その名のとおり1000ワードの書き取りを寮長の先生(House Master)に提出するもの。

私 yama-kei が2004年の年始あたりからつけていた、読書記録をまとめてみました。
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