サハラに死す - 時事通信社
旅行記・写真
Title: サハラに死す―上温湯隆の一生 (講談社文庫)
Author:
Price: ¥ 509
Publisher: 講談社
Published Date:
前から読みたかったので、中古本を入手して読んだ。
高度経済成長路線をひた走っていた1970年代の日本を離れ、ラクダによるサハラ砂漠横断という夢に青春を捧げた青年・上温湯隆(かみおんゆ・たかし)君の物語。高校を中退して旅に出た彼が、旅の最中につけていた日記と、家族に宛てた手紙で構成された本。
いや~、青くて、若くて、切なくて・・・よいですね。オヤジになるにつれて、こういう無鉄砲な試みから心も身体も離れてしまうものだけど、若者らしい言葉が綴られたこの本は胸にジーンとくるものがある。この本に記録されているのは、自分と外の世界との繋がりについて悩み、苦しみ、何か目標を見つけてそれを達成していくことでその繋がりを再確認しようともがきつづけている「ごく普通の若者の姿」だ。これがいい。
大学受験をしてそこそこの大学に入り、そこそこに青春を謳歌してそこそこの仕事に就いて・・・という道から外れ、まだ誰もなしえなかったことにチャレンジすることを選んだ若者は、7,000キロの旅の途中であっけなく命を落とす。
勝手な解釈をすると、彼が日本を離れたのは一種の集団ストレスのようなのものなのではないかなぁ、という気もする。あまりにも多くの人間が周りで同じようなことをやっている状況に接すると、自然とその道を離れてしまいたくなる人間はどこにでもいるものだ(自分もどちらかというとそういうタイプ)。




