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2004年06月29日

快楽消費する社会 - 堀内 圭子


現代的「消費」に関する考察。

「おわりに」でも言われているように、小論文のような形でも取り上げられた題材をあえて本にまとめる形にしている。
読みやすいし分かりやすい。

自分でも最近考えていた題材なので、スラスラ読めた。
「消費」の概念を少し広げすぎているような印象を少しだけ受けた。

2004年06月26日

イタリア人の働き方 - 内田 洋子


軽い本っていいなぁ、と実感してスイスイ読めた。

個人の人格を高めることで、それを価値にするイタリア人達がとてもまぶしく映る。
ある意味ハッカー的精神の体現者なのかも知れない。

1年くらい前から考えていた「マストロヤンニ計画」をそろそろ実行したいなぁ、とか思い始めた。
10万円くらい洋服に散財してみたらどうなるか、試してみよう。

2004年06月11日

大衆の反逆 - オルテガ・イ・ガセット


とても影響を受けた。

最近読んできた本の流れに、奇しくも完全にうまい形に乗ってきた。
というか、自分でも選択的に読む本に流れを作っている気がする。

内容はひたすら「知識・教養の損失」と20世紀的「大衆」に対する非難。

オルテガの予想通り、オルテガ的なすばらしい知性は現代においては望みにくいものになってしまったようだ。
そもそもそれを読んで分かった気になっている自分のような人間がまだまだ、まだまだ教養を持つ、という地平に立っていないことがそもそもの問題なのだろう。

一度哲学か、社会学か、コテコテに文系の世界に身を投じる機会があればそうしてみたいなぁ、と感じた。

2004年06月02日

国際連合 - 明石 康


世界の秩序としての国連の機能性について知りたかったので読んでみた。

国連の発足から発展、そして現在に至るまでの変移・・・。
「超政府」という存在ではなく、あくまで「国家の連合」であることに存在意義を見いだしている国連の姿が見えた。

「調停者」として、「師団を持たない師団長」としての事務総長。
「根無し草」ではないコスモポリタン、または国連のスタッフ。

良きにせよ悪しきにせよ、戦後の国際関係に関わってきた国連的存在は、大国にとっても小国にとってもまだまだ必要な存在なのだな、と思った。

ライブ・経済学の歴史 - 小田中 直樹


最近読んだ「経済学という教養」にあわせて読むと良いズラ、と書かれていたので読んでみた。

なかなかしっかりした本。
よくある入門書のように「ミクロ経済とは・・・」とおっぱじめないのが何よりもよい。

この学問がまだ若くて、不完全で、だけど成長しようとしている姿や、スコープがよく見えた。
所詮、経済学において可視領域に入ってくるのは「財」の動きを伴った(端的に言えば、貨幣の動きの生じる)ことだけで、人間の心理的なあれこれは検証に耐えうる形では現在の経済学は扱うことができないし、これからも扱うことは難しいのだろうな、と感じた。