Title: 感謝されない医者―ある凍傷Dr.のモノローグ
Author: 金田 正樹
Price: ¥ 1,680
Publisher: 山と溪谷社
Published Date:
凍傷の治療なんか好きじゃないのに、いつのまにか日本を代表する凍傷ドクターになってしまったドクターの本。
秋田県の白神山地の麓に生まれ育ち、山に魅せられるようになって海外への遠征隊などに同行するようになった著者が見てきた凍傷患者達と、その治療過程が綴られている。山で負った凍傷の話も興味深いのだけど、それ以上にソ連侵攻時代のアフガニスタンに赤十字の医師として派遣された時の体験のほうが壮絶な体験であるように感じられた。
凍傷になる過程や、典型的な症例などなど、様々な興味深い事例が紹介されているので、雪山登山をやる人は目を通しておくとメリットがありそう。
凍傷にならないためには
- 冷やさない
- 濡らさない
- 行動時間は短く
- ストレスを軽減する
といったあたりを徹底する必要がありそう。まぁ、結局難易度の高い山をやってるときは、そんなこと言ってられないのも確かなのだけれど・・・。
本人の意思とは関係なしに、凍傷をよく見るお医者さんということで登山をする人間から認知されている著者の暖かい視線を感じることができる本だと思った。