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青春を山に賭けて - 植村直己

伝記


植村直己、という名前は幾度も聞いたことがあったのだけど、実際にどんな人だったのかを知らなかったので、彼の半生を知るよい機会になった。

日本がまだ貧乏敗戦国だった時代に海外に飛び出して、冒険のパイオニアになったような人なのだなぁ、と思う。
アルプスの美しい氷河を夢見てアメリカに稼ぎに行く、という発想が単刀直入で面白いし、本当にそれを実行してしまうこと、そしてその最中やその後に起きるあれやこれやの騒動を切り抜けていくことが彼の凄さなのだろう。

どうやら植村直己さん、という人はとてもシンプルで力強い人で、自分が「やろう」と思い立ったことは最後の最後までやり遂げる人だったらしい。
猛獣の住むジャングルを抜けてケニア山を目指すくだり、それにアメリカやフランスで会った心優しい人たちとの交流もよく描かれている。

ちょっと文章としては退屈だったけど、植村さんという面白い人の話を楽しく聞くことができるような楽しい読書だった。