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ウェブ進化論 - 梅田望夫

コンピューター


とある人がおすすめしていたので読んでみた。

インターネットは社会の何を変えようとしているのか。
ネットバブルとは何だったのか。
ロングテールとは何か。
Googleの何がそんなにすごいのか。

PCとインターネットによるコンピューティング世界の革命という観点や、それらを対比(マイクロソフトとグーグルを比較するとよく分かる)しているあたり、とても面白く読めた。
自分にとっては、自分の頭の中でモヤモヤして、どことなく理解していたことをしっかりとした言葉でまとめてくれた印象が強く、日頃から強く思っていることを代弁してくれたような本。「あぁ、そうそう、そうなんだよぉ~」っていう内容。

「Googleはインターネットの声を聞いて開発を続けているんだ」という言葉は目から鱗。そうだよね、たしかに「インターネット的な合理主義」をつきつめていけば、いつもGoogleのやっているところに結びついていくような気がする。
これは現在メディアを扱うツールとしてのPCにおいてAppleがやっているのと同じで、要は既存の常識やルールにとらわれずに考えれば、誰だって突き進むことができる道なのだと思う。この道に辿り着いて、走り始めることが凡人には難しいのだけれど・・・。

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最後の方にも書いているけれど、著者は常に挑戦し続けるシリコンバレー的姿勢が大好きで、日本の企業にもそういった風土を持ち込むことを願っていたようだ。
日本的なネチネチした空気の中で、本当に革新的であっけらかんとしたGoogleのようなものが生まれることは期待できないかも知れない。だけど、Googleなんかより、もっともっと小さな規模の企業や集団でも面白いことができるのがインターネットの強みだ。本質的にシステムのルールを自分で紡ぎ出せるような存在にはなりえないとしても、ピリリと辛くて、世界中に影響を与えるような何かが育つ可能性は十分にあるのではないかな、と思った。