司馬遼太郎の「かたち」 - 関川夏央
伝記
司馬遼太郎の人生最後の10年間に書き連ねられた「この国のかたち」を通して、彼のパーソナリティーを垣間見ることが出来る本。
筆まめだった彼は、文芸春秋に「この国のかたち」の原稿を送る際、必ず手紙を同封していたようで、その手紙の文面から見えてくる彼の思いがとても面白く感じられた。
死ぬのは怖くないけど老いるのは怖く、リアリズムが好きで正義が嫌いな彼は、徹底的な資料集めを行うことで歴史上の人物に限りなく近づいて、彼にとっての人物像を描いていくことですばらしい小説の数々を紡ぎだすことに成功する。
- 負け好きでないと人間いけないんだ
- 思想というものは、それ自体で完結し、現実とは何のかかわりももたないところに思想の栄光がある。
結局、司馬遼太郎という人は、自分に対してとても正直に生きた人だと感じた。
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「この国のかたち」はいとおしむようにして、第5巻まで揃え、第4巻まで読んだ。
第6巻が揃ってないのだけれど、近いうちに揃えてゆっくり読んでみようと思った。