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Journey's End - R.C. Sherriff

演劇


Title: Journey's End (York Notes)
Author: R. C. Sherriff
Price: ¥ 891
Publisher: Prentice Hall (UK)
Published Date:

サンフランシスコ行きの飛行機から読み始めて、3日後の帰りの飛行機で読み終えた。

映画"Withnail and I"の中で、登場人物のマーウッドが読んでいる本、ということで読んでみたのだけれど、なんともイギリス的でとてもよくできたお話。

第一次大戦中の西部戦線の塹壕が舞台。
学校を卒業して軍隊に入り、前線へとやってきた若者、ラリーは、自分が配属された部隊長が尊敬する学校の先輩であり、また家族ぐるみのつきあいでもあるスタンホープであることを知って喜ぶ。
一方スタンホープは、3年前に軍隊に入って以来、素晴らしいリーダーシップを発揮すると同時にアルコールに蝕まれた生活をしていた・・・・。

とても苦々しい体験が綴られているのだけれど、その中でもイギリス的な精神を失わずにいる兵士達の心情が描かれている。
「自由と規律」の中に出てくる、家庭教師とその教え子の話(元ネタは忘れてしまった)ととても似ている。
やはり第一次大戦の記憶はイギリスにとてもとても大きな影響を与えたのだな、と今更ながら感じた。