« 情報の東西交渉史 - 山口修 | メイン | Journey's End - R.C. Sherriff »

カフカ短篇集 - フランツ・カフカ

小説・詩集


まさに「現代のお伽噺」。

象徴性だとか意味論だとかで考えていくことで何か分かる(または分かった気分になる)こともあるのかもしれないけれど、この小さな芸術品は自分の心のなかでそっと愛でるように楽しむのが一番よいのでは?と思う。
カフカとはチェコ語で「カラス」の意味らしい。

星新一のようなショート・ショートとの違いはどこにあるのか?と言われると、その抽象性にある、としか言いようがない。
「流刑地にて」や「万里の長城」のような長めのものもあるけれど、この本に収録されているほとんどの作品は、思いつきで筆をとってササっと仕上げてしまったような印象を与える。
ある意味、夢で見たような内容を起きてすぐにメモしたような感じ。
その意味で、どの物語もその発想のフレッシュさが目を引く。

誰が近いか、と言われると宮沢賢治かな?