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トレーニングレベル

Coggan先生の"Training and Racing with..."の抜粋記事を発見

せっかくなので、(知ってる人には何を今さらだけど)トレーニングレベルについてメモ。
自分の場合、FTPが260W、LTHRが173bpmなので、トレーニングレベルは以下のような感じになる。FTP/LTHRは、それぞれ60minTTを行った際の出力値/心拍数。

ゾーン 心拍数(bpm) パワー(W)
Zone 1 アクティブリカバリー 118 or less 143 or less
Zone 2 エンデュランス 119-144 144-195
Zone 3 テンポ 145-163 196-237
Zone 4 LT 164-182 237-273
Zone 5 最大有酸素域 183 or more 274-312
Zone 6 無酸素域 N/A 313 or more
Zone 7 Neuromuscular Power N/A N/A

自分の理解している範囲で各ゾーンを解説してみると・・・

- L1はいわゆる「回復走」の領域。レース後のクールダウン等で利用。

- L2はLSD走と(ほぼ)同じ領域。長距離を走っても負担がかからない負荷なので、この領域で走りこむことで心肺・代謝系の能力向上が期待できる。特にロードレースでは、ここを鍛えておくことで回復力のアップが期待できる。ただし、ここばっかり鍛えても「速く」はなれない。

- L3はいわゆる「テンポ走」の領域。平地の単独走やグループライド、それに長距離レースで集団の中にいる時やなんかに多用する。"The Bible"曰く"Meat and potatoes for cyclist"。

- L4は「メディオ走」に該当(厳密にはちょっと違うけど)する領域。20-60min程度のTT強度と同じなので、ヒルクライムで強くなるためにはここを重点的に鍛える必要がある。ヒルクライムに限らずロードレースでもこの領域で出せるパワーが鍵になることが多いので、積極的に鍛える価値がある。

- L5は(大まかに言って)「ソリア走」の領域。5min TTとほぼ同じ強度。この領域で走り続けるのはかなり辛い。積極的に前を引いたり、短めの登りをこなすときに使うので、ロードレースでは勝敗を分ける重要な領域。ただし、ヒルクライムではほとんど使わないので、ヒルクライムオンリーの人がL5以上を鍛える必要性は薄い(はず)。

- L6は1分前後のダッシュのための領域。登り基調のゴールでペースをガツンと上げる時やなんかに使う・・・はず。L6以上の領域を心拍数で管理することは不可能。

- L7はいわゆる「フルもがき」の領域。スプリントやアタックで利用。この強度で連続的に走ることは不可能なので、トレーニングをパワーメーターで管理することは不可能。ただし、最大値を計測することはできる。

ってな感じでしょうか。

**

BaseフェイズではL2メインで心肺・代謝能力を向上させ、Buildフェーズでレースニーズに対応した強度を鍛えて行く・・・というのが"BBC"や"The Bible"に書かれているセオリー。

ロードレースでのペースアップや短めの登りに対応するためにはL5を積極的に鍛える必要があるし、ヒルクライムで上を目指すには体重をできる限り低くしながらFTPの向上を計る必要がある。

FTPを向上するために最も効果的なのがSST(Sweet Spot Training)と呼ばれるもので、これはFTPの85-90%の強度でトレーニングすることで、時間あたりの効果が最も得られるとされるトレーニング方法。

Coggan先生のゾーン分けはパワーメーターが基準にはなってはいるものの、LT未満の領域に関してはCardiac Drift(脱水・熱の影響で、一定負荷で走り続けていると心拍数がじわじわ上がってしまう)の効果がそこまで大きくないので、心拍数をベースにしたトレーニングでも十分に使うことができるように思う。

そういう意味でいくと、パワーメーターは「強くなる過程を管理」するツールとしては使えるけれど、「強くなる」ために絶対的に必要かって言われると「そうでもないんじゃない」と思ってしまう自分もいたりして・・・。


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2010年02月18日 08:04に投稿されたエントリーのページです。

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