哲学の話じゃなくて、自転車の話。
新生3Tのハンドルバーはどれも変わった名前がついてる。
ROTUNDO -> ラテン語で「丸っこい」とかいう意味
ERGOSUM -> ラテン語で「それ故に(ergo)我あり(sum)」
ERGONOVA -> ラテン語の「それ故に(ergo)」と「Nova(超新星)」
"Ergo****"は、“人間工学”の「エルゴノミック」と“故に我あり”の「エルゴスム」をモジってるのだと思われる。たかだか自転車のハンドルごときに大層なネーミングではあるけれど、2007年から資本が変わって再出発した3Tのやる気が感じられるところだ。なお、3Tの正しい読み方は「トリプル・ティー」。TECNO TUBO TORINOの略なので、「スリーティー」と読むのは間違い(と言いつつ、自分は「スリーティー」と呼んでる)。
新生3Tのドロップハンドルは形状ごとに3種類に別れていて、それぞれアルミのPRO、カーボンのTEAM、TEAMをさらに軽量化したLTDがラインナップされている。
ROTUNDOは、その名の通り1980年代に定着したラウンドシェイプを今風にアレンジしたノーマルスタイルのハンドル(ドロップ量はそんなに大きくない)。ERGOSUMはROTUNDOよりドロップ量を減らしたアナトミック系ハンドルで、バーとブラケット部分が水平にセッティングできるようになっていてバランスがよい。ERGONOVAは、「スーパーシャロー」と表現される今風のハンドルで、ハンドルの直線部分が膨らんでたりしていて手がこんだ作りになってる。
3Tのウェブページにある壁紙(今はもうなくなった模様)を眺めた限りだと、2008年のTDFでのCSCチームの利用実績は、
サストレ: ROTUNDO LTD
シュレック兄: ROTUNDO TEAM
シュレック弟: ROTUNDO TEAM
カンチェラーラ: ERGOSUM PRO
アルヴェセン: ERGOSUM PRO
フォイクト: ERGOSUM PRO
その他: 主にROTUNDO TEAM
・・・という感じ。
カンチェラーラ、アルヴェセン、フォイクトといったパワー系ライダーが揃ってセカンドグレードでアルミ製のERGOSUM PROを使っているのはなかなか興味深いところ。「手が小さいライダー用」とのことだけど、ERGOSUMは手が大きな自分にもしっかりフィットしている。
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新生3Tのステムは赤(TEAM)か白(PRO)のラインが目立つイタリアンなデザインで、3Tのハンドルと組み合わせることでステムの肉抜きから3Tの文字が浮かび上がる仕組み。ステムメーカーは数あれど、こんなことをやっているのは3Tくらいのものだろう。
ハイエンドモデルで-17度ステムを出しているのも評価できるし、3Tハンドルユーザーは3Tステムを合わせると見た目的にバランスが取れていいんじゃないかと思う。