風雪のビヴァーク - 松濤明
山登り
素晴らしい文章力。
そしてなんといっても輝かしい山行の数々。
淡々と山に向かっていく記録と、山への正直な気持ちを吐露した文章、それに命の灯火が消える瞬間の記録。
著者の人柄に素直に惹かれてしまった。
なんといえばよいのか分からないけど、とにかくこの本は素晴らしい。
最期の瞬間の手記ももちろん強烈なインパクトを持っているのだけど、それ以前の記録として残っている文章があまりに素晴らしい。
「バッキャロー」と若く威勢のよい声をあげたり、普通に考えたらどう考えても命を捨てているとしか思えないようなルートをビバークのみで踏破していく著者。
山岳部の先輩が一番影響を受けた本だ、というので読んでみたのだけれど、これは自分も相当影響を受けてしまいそうな気がする本だと思った。