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20世紀とは何だったのか(上・下) - 佐伯 啓思

歴史・考古学


体系的に近代を紐解いていく良書。

17,8世紀の宗教戦争に始まる闇の時代と、そこから抜け出ようと一条の光を求めた啓蒙主義。
産業革命、フランス革命による「近代」の出現
そして近代以降のニヒリズムに対する考察。

デカルトによる古い秩序への決別から始まり、民衆による革命、産業による革命を経て続く現代社会の成り立ちが描かれている。

理論展開の流れはすでに頭の中にできあがっているものなのだけれど、それを丁寧に歴史的経緯を含めて説明してくれるとやっぱり分かりやすい。

現代、という時代が新しい何か、ニヒリズムから脱却できる何かを探し求めているのは常々感じているのだけれど、それがいったい何なのか、どういう形で現れるのか、というイメージが湧かない。

沢山読みたい本が増えてしまった・・・。