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Racing Weight / Matt Fitzgerald

トライアスロンの選手/コーチであり、栄養士でもある著者が、エンデュランス・スポーツで最高のパフォーマンスを得るために適切な減量を行う方法を論じた本。

「ノン・アスリート向けに、美容・健康のために減量する方法を書いた本はごまんとある。ところが、エンデュランス・アスリートがノン・アスリートと同じように体重に気を使っているというのに、エンデュランス・アスリートがパフォーマンスを向上するためにスリムで軽い(そして見た目もよくて健康な)身体をつくる方法を書いた本は、一冊として存在しない。Racing Weightは、マウンテンバイクからトライアスロンまで、様々なエンデュランス・スポーツを行うあなたのようなアスリート向けに、体重・体組成を管理する独自の理論を提案する。」
(P.5)

・・・ってのがこの本の売り文句。
タイトルの"Racing Weight"とは、ベストなパフォーマンスを出すための理想的な体重と体組成の組み合わせ"Optimal Performance Weight"を指すらしい。

それぞれのスポーツ(ランニング、サイクリング、トライアスロン、クロカンスキー、スイム、ローイング)に適した体型の説明から、理想体重を推定する方法、「なに」を「どのくらい」「どのタイミング」で食べるべきかのガイドライン、エンデュランス・スポーツのための一般的なトレーニング理論や筋トレメニュー、それにアスリート向けの食事のレシピまで、なかなかよくまとまっている。

新しい本(2009年12月)なので、新しい研究成果や報告をベースにしているところも素敵。特に、あんまり期待していなかった一般的なトレーニング理論に関する部分で色々と面白いことが書かれていて参考になった。

**

個人的に印象に残った部分をメモしておくと、こんな感じ。

- 結局のところ、体重の増減の決め手となるのはカロリー・イン、カロリー・アウトのバランス。

- オフシーズンの体重増加は理想体重の+8%くらいまでに抑えておくのが無難。

- トレーニング強度を上げていけば、体重は自然と落ちはじめる。

- 一般的な体脂肪計は、絶対値としては信頼できないけど相対値としてみればそこそこ正確。DEXA法を利用した正確な測定値とのオフセットが分かれば、それをずっと使えば正確な値が得られる。

- 炭水化物、タンパク質、脂肪のバランスは、絶対的な正解があるわけではない。どれも必要なものだけど、それぞれ40-80%、10-25%、20-40%程度の組み合わせであればOK。

- タンパク質は動物性のもののほうが吸収がよい。ワークアウト後に植物性タンパク質を摂る場合、ワークアウト中か終了後なるべく早いタイミングで炭水化物と一緒に20g程度摂るべし。

- 低~中強度のトレーニングは長時間やらないと意味がないと言われがちだが、一定期間に多くのボリュームをこなすことで同等のトレーニング効果を得られる。


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コメント (5)

これは読みたいけど・・・洋書じゃあ読めません orz

タマキひろし:

減量と聞いて飛んできました~~~~~~ (/´θ`)/
“アスリート向けの食事のレシピ”ってのが気になりますね。
単純に高タンパクで低脂肪な感じなんでしょうか?

ニャロメ:

こいつもKindle化待ちです。夜中にせんべいバリバリバリ。

yama-kei:

> 雨蛙さん
むむ。
では、熊語に翻訳しますよ。
「ガルルー、ガウッ、ガウッ、ガウガウー」

> タマキひろしさん
“アスリート向けの食事のレシピ”は、この本で紹介されている「おすすめ食物」「おすすめしない食物」に沿って構成されているみたいです。必ずしも高タンパク・低脂肪ってわけでもないみたいですが、基本的には必要な分量の炭水化物・タンパク質・脂肪を摂りつつ、カロリー摂取が行き過ぎないように食物繊維・ミネラル類も摂取する・・・というのが王道みたいです。
・・・って、パワーのあるタマキひろしさんが軽くなったら太刀打ちできなくなるので、減量は勘弁してください。

> ニャロメさん
お、Kindleユーザーですか。いいなー。
本は場所とるのがいけてません。
夜中にせんべいバリバリバリも豪快でよいですね!

なるほど、わかりやすいですね~
感慨深い本で、またひとついいこと学びました!!(違

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2010年03月08日 21:30に投稿されたエントリーのページです。

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