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The Greatest Show on Earth

ロードレースが出てくる映画を見てみようシリーズ、その4。

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1974年のジロ・ディ・イタリアを追いかけたドキュメンタリー。
Rouleur issue 14で特集されていて気になったので、WCPからリリースされているDVDを入手して鑑賞。

王者メルクスに対し、スペイン出身のクライマーManuel Fuenteが山で果敢なアタックを仕掛けていく・・・という展開となった1974年のジロ。悪天候のステージ14で致命的な遅れをとったFuenteは、リーダー争いから5分もの遅れをとってしまい、最後の山岳ステージであるステージ20で大逆転を狙って早々とアタックをかける。小柄のFuenteが単独で飛び出して、たった一人で峠を登っては下っていく姿は実に印象的。あくまで勝負を諦めることなく「勝つためにはもうこれしかない」と独走を続けるFuenteの背中には鬼気迫るものを感じる。

作品全体としてジロ・ディ・イタリアの魅力を引き出しているのもよい感じ。バチカンで法王にブレッシングを受けて出発し、地中海沿いの遺跡のような街を駆け抜け、ドロミテの険しい山岳地帯を軽量なクライマーを先頭に登って行く・・・。当時のジロでは「通りかかる街の飲食店から何でも持っていってよい」という慣習(?)があったらしく、「Water Boys」と呼ばれるアシスト達がソフトドリンクの瓶をお店から失敬して走りながら飲んでたりする姿が見られる。

メルクス全盛期の走りを見られるという意味でも、山岳で勇敢なアタックを仕掛けたFuenteの走りを見られるという意味でも、ふた昔前の時代のジロを見られるという意味でも、なかなか見ごたえのある映画だと思う。音楽を含め全体的な雰囲気は緩くって、ツールとは少々異なるグラン・ツールの雰囲気に触れることができる作品。


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2010年01月13日 21:22に投稿されたエントリーのページです。

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