ロードレースが出てくる映画を見てみようシリーズ、その2。
85年の映画で邦題は「アメリカン・フライヤーズ」。
日本ではDVD未発売なので、北米盤で鑑賞。
父親から受け継いだ遺伝性の病気を持つ兄弟(兄は経験のあるロードレーサー)が、世界で最も高い場所で開催され、その過酷さから「Hell of the West」と恐れられているコロラド州の自転車大会への参加を通じて家族の絆を取り戻していく・・・というお話。脚本は、"Breaking Away"と同じスティーヴ・テシック。
先日見た"Breaking Away"が普通の映画として楽しめたのに対し、こっちはロードレースの迫力ある映像に重点が置かれていて、物語の描かれ方が中途半端に終わってしまっているかなーという印象。まぁ、青春映画としてある一定の地位を占めている"Breaking Away"と比べるのが悪くって、普通によくできた映画だと思う。いずれにせよ、自転車好きなら十分に楽しめることは間違いない。
自転車競技の描かれ方は比較的まとも。
ペースアップする時にギアをガタンガタンガタンと上げる描写(そんなに一気に上げませんから)とか、細かいところではいろいろと突っ込みどころがあるけど、グレッグ・レモンのツール優勝前で、アメリカでは比較的マイナーであったであろうロードレースを描いたハリウッド映画としてはかなり頑張ったほうなのではないかと感じた。
"Hell of the West"のモデルになったのは、70-80年代に実際に開催されていた"Coors Classic"。Coors Classicは2週間にも及ぶステージレースに成長していた時期もあったらしくって、歴代の勝者にはグレッグ・レモンの名も見える。映画の中の「Hell of the West」の開会式では「偉大なサイクリスト」としてエディー・メルクス本人が出てきてたりするとこともさりげなくポイントが高い。