Save the Velodrome!

ロンドンの姉の家の近所にあるHerne Hill Velodromeが閉鎖の危機に瀕しているのだそうだ。

P7040764

Herne Hill Velodromeは、1891年に作られたイギリスでもっとも古い野外式ベロドローム(トラック)で、1948年のオリンピックの際に使われたことでも知られる由緒正しい施設。今ではVCLという地元のクラブによって管理されていて、トップクラスの選手のレースから子供や初心者向けのセッションまでが熱心なクラブメンバーによって開催されている。ブラッドリー・ウィギンズが自転車競技をはじめた場所でもあるとのこと。

昨年の夏に遊びに行った時に初心者セッションで遊ばせてもらった時の模様はこちら

**

トラック自体のコンディションは良好ではあるものの、付属する施設は老朽化が進んでボロボロ。シャワー室やティールーム等、屋根のある施設はいつ崩れてもおかしくない状況とのことで立ち入り禁止。自治体からの支援を期待できないまま、VCLの努力によってなんとかトラック施設としてのみ使える状態を維持できている・・・というのが現状らしい。

P7040774

2012年のロンドンオリンピックで使われるという話もあったようなのだけど、最終的にはロンドン北部のStratfordにあるオリンピック公園に新設される室内ベロドロームでトラック競技が開催されることになったそうで、このままだとHerne Hill Velodromeは閉鎖の憂き目に遭ってしまうかも・・・ということで立ち上がったのが地元の人達。

「ロンドン市内で気軽にトラック競技に触れることができる施設をなくしてしまってもよいのか?歴史のある施設を簡単に取り壊してしまってもよいのか?」・・・ということで、”Save the Velodrome“運動が発足。Facebookでコミュニティーを作ったり、パブリックミーティングを開催してメディアに呼びかけたり、地元の人たちの協力を仰ぐことで運動を大きくして、施設の維持・修繕に必要な資金をひねり出そうと努力している。

P7040758

青空の下、緑に囲まれたトラックで走るのはとても素敵な体験だったので、ぜひこのトラックは残って欲しいなぁ、と思う。そして何よりも、熱意を持った人たちがいて、その人たちが活躍する場所が失われてしまうこと、そしてその次の世代に自転車競技の素晴らしさ・楽しさが伝えられる機会がなくなってしまうことが残念なので、ぜひとも”Save the Velodrome”運動には頑張ってほしいなぁと思った。