子供用自転車とPalo Alto Bicycles

長男が4歳の誕生日にもらった14″のママチャリ風自転車が小さくなり始めていて、走行性能にも限界を感じていたので新調することにした (2020年の中頃の話)。

Calabazas BMX Parkに初挑戦

パロアルトのダウンタウンにはPalo Alto Bicycleという自転車屋さんがあるのだけど、ここは知る人ぞ知る歴史のあるお店。92年前(1929年)に現在の店の前身となるPalo Alto Toy & Sportを家族経営で始めて以来、自前の自転車パーツやアクセサリを作って売るビジネス(Avocets)をやったり、アマチュア時代のグレッグ・レモン(レイク・タホ近くのレノ出身で、スキー活動と同時にベイエリアで自転車のレース活動もしていた)を見出してスポンサーしている自前のチームで走らせたり、のちに自身のブランドを興すTom Ritchey(ベイエリアの出身)が初期に作ったフレームを売ったりと、アメリカの自転車シーンの輝かしい歴史が詰まってる。

話は現代へ。2013年にパロアルトダウンタウンにある今の職場に転職し、出張でパロアルトに訪れた際に初めてPalo Alto Bicyclesに立ち寄った時は「素敵なお店だなー」という程度の印象だったのだけど、店に置いてある自転車の中で特に気になる自転車があった。それがClearyというブランドの子供用の自転車。

シンプルなクロモリのフレームながら、すっきりとしたミニマムなデザインで色もポップでおしゃれ。こんな子供用自転車あるんだねー、と感心していて見ていたところ、サンフランシスコの対岸、ゴールデンゲートブリッジを渡ってすぐのサウサリートにある子供用自転車だけを作っているCLEARYっていうブランドなんだよとお店の人が教えてくれた。

さらに時は流れ、2019年に家族でパロアルトに住み着くことに。パロアルトはアメリカで初めて街を縦断する自転車優先道路(Bicycle boulevard=Bryant Street)を作ったことでも知られる自転車フレンドリーな街で、渡米して早々に自転車に乗れるようになった4歳の息子と一緒にこの道を使って市内をあっちに行ったりこっちに行ったりという生活がはじまった。

San Mateo Bridgeの近くのベイ沿いのサイクリングロード

2020年の春以降、パンデミック生活になって自転車に乗る機会が増えたものの、5歳になってすくすくと成長した長男には14インチの自転車が小さくなり始めていて、走行性能という面でも物足らなくなってきていた。新しい自転車を考えた際にこの14インチというサイズが曲者で、一般的な子供用の自転車は12インチ(Striderを含む小さい子用)、16インチ(5-6歳)、20インチ(6-9歳)という規格が標準的。14インチの次となるとすぐに安心して乗れる16インチ(比較的すぐに小さくなってしまう)か、最初は大きくて乗りづらい20インチ(長く乗れる)、という悩ましい選択をする必要が出てくる。

2020年の年初くらいから長男用の自転車をどうするかは考えていて、あれこれレビュー/比較記事(これとか)を読んでいくうちにClearyのOwl (20インチ)はサイズの割に小さい子でも乗れるなということを発見。例えば平均的な20インチの自転車は最低サドル高が22インチくらいのものが多く、股下が20インチ前後ないと厳しいサイズ感。Owlは推奨される股下が19インチからで、これなら股下が18インチくらいになったタイミングでギリギリ乗れなくもないかなという印象を受けた。

Palo Alto Bicyclesのステッカーつき

その後、自転車屋さん巡りをして長男の好みをヒアリングしつつ試乗させてもらったりしつつ、在庫を確認したりした結果、Palo Alto BicyclesにあったCleary Owlをオーダー。7月になって長男が幼稚園を卒業したお祝いに…ってことでプレゼント。7年前はまだ長男は生まれておらず、「格好いいなぁ」と思える自転車を出会ったそのお店で入手して長男が乗っているという…というのはなんともいえない偶然。

リトルリーグの試合へ

最初の頃は明らかに大きすぎて乗りにくそうにしていたものの、順調に距離を伸ばせるようになって今では20kmくらい走ってもまったく疲れない程度に走力も向上。乗り始めて1年経った今ではサイズもちょうどよくなって、あと2年くらいは乗れるかなという感じ。シングルギアだけどギアのセッティングが絶妙で、ダンシングすれば4-5%くらいの坂もどうにか登れるし、平地では12km/h程度で巡航を続けることができる。BMX Parkで遊んだり、簡単なトレイルに行くこともできそう。子供用の自転車としては安いものではないけれど(消費税を入れると$500くらい)、3,4年後には次男も乗れるであろうことを考えるとよい買い物だったんじゃないかと思う。