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快感自転車塾 - 長尾藤三

スポーツ


Title: 快感自転車塾―速くはなくともカッコよく疲れず楽しく走る法。
Author: 長尾 藤三
Price: ¥ 1,575
Publisher: 五月書房
Published Date:

ちょっとアレなタイトルだけど、ゆるく楽しく自転車とつき合っていくノウハウが詰まったよい本。

レースのための道具であるがゆえに「速いこと=正義」になりがちなロードレーサーではあるけれど、「ゆっくり」「楽しく」「カッコヨク」自転車遊びしている著者の姿勢には共感できることが多い。まだまだ元気いっぱいの自分としては、この本に書かれた楽しみ方ばかりを肯定するわけにはいかないのだけど、50代、60代になって身体にガタが出るようになってからも自転車とつき合っていくには、この本に書かれているような知見が重要になってくるのだろう。

MTBでの(ゆるい)楽しみ方についても書かれていて、個人的にはここが楽しく読めた。車がないとMTB遊びをフルに楽しめないので手を出しかねているのだけど、楽しめる環境が整ったら物凄い勢いでハマってしまいそうな自分がいる。

それにしても、この著者の自転車やその他のものへのこだわりはさりげなく凄い。MTBではフルリジッド、ロードはもちろんホリゾンタルのクリモリでダブルレバー、そして・・・最後のほうのページの写真に出てきた著者の部屋に置いてあるスピーカーがハーベスのHL Compactであるところが自分的にツボだった。

手元にある自転車の中でも、クロモリフレームのCOLNAGO Master X-Lightは10年後、20年後でも違和感なく乗れるように思うけど、最新鋭のカーボンフレームであるところのCOLNAGO Extreme-Powerは10年後に乗っている姿がイメージできない・・・。最近の自転車フレーム・パーツの開発は過熱状態にあって、魅力的な自転車がない、という著者の指摘にも共感できるものがあった。