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山と渓谷 - 田部重治

山登り


Title: 新編 山と渓谷 (岩波文庫)
Author: 田部 重治
Price: ¥ 735
Publisher: 岩波書店
Published Date:

ずぅ~っと前に途中まで読んで、4年以上ほったらかしていた「山と渓谷」を読破。

明治~大正の日本近代登山史の黎明期に活躍していた著者の山旅や、山に対する思いをあれこれ綴った本。オリジナルは「日本アルプスと秩父巡礼」で、昭和5年に出版されたもの。今とは違って、山に行くための何から何までもが不便だった時代の記録で、登山の計画の立て方から山に向かう交通手段から食べ物、それに山中での暮らし方まで時間のかかる方法で苦労しつつも山を楽しむ様子が大変面白かった。

約5年前に読み始めた頃は、まだ日本の山を登りはじめて間もない時期だったので、今はじめから読み直したら色々と発見があって面白いのかもしれない。

田部重治さんは英文学者としても知られていて、ワーズワースの「虹」を下のように訳している。

わが心はおどる
虹の空にかかるを見るとき。
わがいのちの初めにさなりき。
われ、いま、大人にしてさなり。
われ老いたるときもさあれ、
さもなくば死ぬがまし。
子どもは大人の父なり。
願わくばわがいのちの一日一日は、
自然の愛により結ばれんことを。