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安全。でも、安心できない… - 中谷内 一也

経済学・社会学


Title: 安全。でも、安心できない…―信頼をめぐる心理学 (ちくま新書)
Author: 中谷内 一也
Price: ¥ 735
Publisher: 筑摩書房
Published Date:

社会心理学的アプローチから、人が様々なリスクファクターをどのように扱うか、ということを論じた本。

当事者にとっての「安全」と、利用者や消費者等にとっての「安心」の間には深い溝があって、それをどのようにしたら埋めていくことができるか、ということをテーマに、様々な「安全学」のモデルや理論が紹介されている。

リスクを判断する側から見て、

「当事者の能力」
「当事者のモチベーション(動機付け)」

といったファクターが大事であることは間違いないのだけれど、多くの場合において「当事者達の意識」と「判断者側の意識」に隔たりがある、という指摘は的を得ている。また、リスクを判断する側が適切な専門知識や強い動機を持っていない場合には、第三者を介した間接的かつ表面的な形でのリスク勘定が行われることが多い、というのもその通りだなぁと思う。