« 延長戦に入りました - 奥田英朗 | メイン | 安全。でも、安心できない… - 中谷内 一也 »

ひび割れた晩鐘 - 亀山健太郎

山登り


Title: ひび割れた晩鐘―山岳遭難・両足切断の危機を乗り越えて
Author: 亀山 健太郎
Price: ¥ 1,500
Publisher: 本の泉社
Published Date:

丹沢の源次郎沢を登攀中に墜落して開放骨折し、最新治療によって両足切断の危機を免れた人の記録。還暦過ぎの著者の山登りやその他の事柄に関する知見や意見が詰め込まれており、なかなか読ませる本になっている。

「普通の人」が「身近なルート」で「ありがちな事故」を起こした結果、どういった危険が待っているか・・・、ということがよくわかる。源次郎沢自体は登ったことがないけど、水無川沿いの沢は何本も登攀しているのであの界隈の沢は自分にとって身近な存在。2,3年前の沢登りの際、高巻き後の滝の上でスリップしてしまい、10m近いフォールから辛うじて免れた経験のある自分としては、著者の墜落は他人事では全くない。

事故~搬送~手術~感染症との闘い~リハビリ・・・という流れの中の出来事が事細かに綴られているので、闘病中の人、ある程度の危険を伴うクライミングをやっている人、面白い本が読みたい暇な人、などにおすすめできる。

ちなみに“晩鐘”(ばんしょう)とは、「夕方に鳴らす寺院・教会などの鐘の音」とのこと。

http://www.hirotarian.ne.jp/backno/1908-yume.html