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天皇の玉音放送 - 小森陽一

ノンフィクション


Title: 天皇の玉音放送 (朝日文庫)
Author: 小森 陽一
Price: ¥ 1,050
Publisher: 朝日新聞出版
Published Date:

「天皇の玉音放送」から始まった戦後と、その「戦後」がどういった経緯で作られていったかを天皇とマッカーサーの会話記録などを使って掘り下げていった本。

天皇の玉音放送というと「絶えがたきを絶え・・・」という節が有名だけど、今回初めて全文を読んでみてその時代錯誤かつ「敗戦」を認めない姿勢に驚かされた。ポツダム宣言~原爆投下の間、天皇とその側近が気にしていたのはいかにして三種の神器を守るかということだったり、原爆が落とされてからの対応も救いようがなく遅い。まぁ、国に限らず組織のトップなんてみんなそんなもんなんだろうけど・・・。

天皇を免責にすることで安全に日本を統治したかったマッカーサーと、どうにかしてでも天皇を救いたかった日本人の利害が一致したことによって生まれたのが「象徴天皇」であり、「憲法9条」だったのかなぁと思った。