不思議な少年 - マーク・トウェイン
小説・詩集
Title: 不思議な少年 (岩波文庫)
Author: マーク トウェイン, 中野 好夫, Mark Twain
Price: ¥ 630
Publisher: 岩波書店
Published Date:
トム・ソーヤを書いた人が書いたとは、到底信じがたいダークな物語。
オーストリアの田舎町に住む少年が主人公で、平和な町にやってきたサタンという名の不思議な少年との出会いと、少年が巻き起こしていく騒動が描かれている。この不思議な少年こそは、堕天使として有名なサタンの甥っ子にあたる天使(あるいは悪魔)で、人間的な善悪感情を一切持たない存在として登場する。
晩年のマーク・トウェインが抱えていた厭世観と、人間存在に対する懐疑感をまとめた「人間とは何か」をひとつの寓話として書き下ろしたような作品で、老人と若者という構図が悪魔と少年という形に変えられているのが特徴。
前に河合隼雄さんの本に出てきたことから読んでみようと思い立ったのだけど、噂に違わず面白い本だと思った。
「人間とは何か」では、一方的に老人の主張が若者に押しつけられたまま最後までいってしまうのに対し、「不思議な少年」の場合は主人公の少年の「それでも、やっぱり」といった反抗がきちんと描かれているので、どことなく救いがある内容になっていると感じた。