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人間とは何か - マーク・トウェイン

哲学・思想


Title: 人間とは何か (岩波文庫)
Author: マーク トウェイン
Price: ¥ 588
Publisher: 岩波書店
Published Date:

「トム・ソーヤーの冒険」や「ハックルベリー・フィンの冒険」で知られるマーク・トウェインが、晩年に貯め込んだ毒を発散した社会批判の書。

「人間とは、常に内なる主人の衝動によって突き動かされる機械のようなものであり、何一つ自分で考えることのできないでくの坊である」という考えを持つに到った老人(マーク・トウェインその人)と、善良かつ敬虔なキリスト教徒であり、(当時として一般的な)人間存在に対する希望に溢れた啓蒙主義的な若者との会話を通じて、マーク・トウェインの意見が示される。

「人間の自由意志とは何か」という問いかけから始まり、人間の良心や、善良さといったものに対する全幅の信頼を寄せる社会的風潮や宗教的傾向に対して、厳しく「NO」を突きつけている。

「利己的な遺伝子」における遺伝子が「内なる衝動」だとか「生まれつき持っている気性」だとかに置き換わって議論されていると言うことができるのだけど、読んでいると気が滅入ってくるかも知れないので万人にはおすすめできない本。