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パワー - ル=グウィン

小説・詩集


Title: パワー (西のはての年代記 3)
Author: アーシュラ・K・ル=グウィン
Price: ¥ 2,205
Publisher: 河出書房新社
Published Date:

「西のはての年代記」シリーズの最終巻。
ボリュームのある本だけど、前の2冊に比べて物語の展開がダイナミックなので、グイグイと引き込まれて一気に読んでしまった。

シリーズを通して物語の舞台と主人公がガラリと変わっていき、様々な立場や世界観の中から物語が語られる。最終巻では、不思議な能力を持つ一族に生まれながらも、幼い頃に奴隷狩りに遭って奴隷として成長してきた少年が主人公。

このシリーズの主人公には、以下のような共通点があるように思う。

- 何かしら与えられた力を持っている
- その力に対する理解のない人や社会による抑圧を感じている
- その社会と正面から向き合いつつも、様々な生き方を学ぼうとする

「授けられた能力」や「言葉の力」、それに「人が社会で活きていくための力」といったテーマが物語の軸としてしっかりしている印象を受けた。