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世界最悪の旅 - アプスレイ チェリー・ガラード

ノンフィクション


Title: 世界最悪の旅―スコット南極探検隊 (中公文庫BIBLIO)
Author: アプスレイ チェリー・ガラード
Price: ¥ 880
Publisher: 中央公論新社
Published Date:

ノルウェイのアムンゼン隊と壮絶な南極点への一番乗り争いをした挙げ句1ヶ月差で遅れて南極に到着し、その帰途でブリザードで進退窮まって最期を遂げたスコットの隊に同行していた若き科学者チェリー・ガラードによる南極探検記。

チェリー・ガラード自身は極点を目指すチームには加わらなかったものの、スコットが残した日記やその他の情報から、スコット隊が行った南極探検を忠実に再現している。
律儀に全部読むとあまりにもボリューミーなので、面白そうな所だけをピックアップして読破した。

本の題名である「世界最悪の旅」とは、彼と2人の仲間(この2人は極地隊に同行してスコットと共に帰らぬ人となった)と共に行った冬季のソリ旅行のこと。当時唯一知られていたペンギンの繁殖地を目指して出発し、24時間の暗闇の中で死と隣り合わせになりながら人類で初めてペンギンの繁殖を観察することに成功した(卵も持ち帰った)。

何しろ第一次大戦前の20世紀初頭のことだから、装備があまりにも貧弱で、計画もアバウト。もともと何が起きるか分からない南極だから、かなり余裕を持った行動・計画が必要とされる中で、ギリギリのところを攻めて結果を求めようとし過ぎたところヶ合ったように感じられた。