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絵はがきの時代 - 細馬 宏通

旅行記・写真


Title: 絵はがきの時代
Author: 細馬 宏通
Price: ¥ 2,310
Publisher: 青土社
Published Date:

面白かった!
素敵な、なんとも言えず素敵な、絵はがきの本。

19世紀後半の頃から、郵便制度の改変によって「開かれたメッセージ」として世界中を飛び交うようになった絵はがきを色んな角度から見つめている。
現代の我々の目には、ただのありふれた「カード」としてしか映らない絵はがきだけれど、電話も普及してなければラジオやテレビもなかった時代の人たちにとっては、ひとつの立派な「メディア」として機能していたようだ。

20世紀初頭のブームの頃には、当時の技術の粋を凝らした絵はがきが作られ、絵はがきのやりとりも、絵はがきの収集そのものも大いに盛り上がったのだそうだ。

透かし絵の絵はがき、セルロイド製の絵はがき、手彩色の絵はがき、果ては立体写真になった絵はがきなどなど・・・。現在ではコレクター以外目にすることもない素敵な絵はがきに彩られた本だった。

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絵はがき収集ってのも、なかなかマニアックで面白い趣味だよなぁと思う。ある人が一枚の紙を選び、それに宛名とメッセージを付けて送り出す。そしてまた、ある人がそれを受け取り、一枚の紙に凝縮されたメッセージを読みとる。そこからさらに幾多の時間を経て、一枚の紙によって交わされたコミュニケーションを想像するコレクターがいる。
見る人の想像力を試されるようで、何とも言えず興味深い。

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http://www.12kai.com/pc/index.html
著者のウェブページでは、本の中でも紹介されている絵はがきが丁寧に解説されている。

http://oldpostcards.com/hold%20to%20light.html
透かし絵はがきが欲しくなったので探してみたけど、結構いい値段するなぁ・・・。いつか機会があったら、どこかで古絵はがき屋さんにでも足を踏み入れてみよう。