« カンパニョーロ完全読本 - エイムック | メイン | 恋する天才科学者 - 内田麻理香 »

旅の途中 - スピッツ

エッセイ・対談


Title: 旅の途中
Author: スピッツ
Price: ¥ 1,500
Publisher: 幻冬舎
Published Date:

高校生の頃から、スピッツが好きで、「ハヤブサ」までのアルバムは全部揃えて聴きまくっていた。
思えば、mp3 tidalwave なんてウェブサイトが繁盛していて、CDのリッピングとmp3のエンコードに1日近くかかっていたような時代に、一番はじめに mp3 化したのはスピッツのアルバムだったなぁ・・・。懐かしい。

この本はメンバー一人一人による書き下ろし形式で、スピッツのこれまでの軌跡が綴られている。
インディーズ時代のバンド結成前後からデビュー、インディーズ時代の雰囲気を色濃く残した初期三部作と、ポップ路線に走ったのにも関わらず売れずに苦悩した4枚目のアルバム「Crispy!」、吹っ切れた「空の飛び方」と「ロビンソン」以降のヒット・・・。その後のバンドの変化についても色々と触れられていて、スピッツという4人組バンドの有機体的な動きが丁寧にまとまっているなぁ、と思った。

ちょっとナイーブだけど、いざとなると結構たくましくって、とにかくロックが好きな4人組の真っ直ぐな言葉が収められていて、なかなか面白い。ひとつひとつの局面で、きちんと立ち止まって、考えて、それなりに判断を下してきたからこそ今もまだスピッツというバンドが存続できていているのだなぁ、ということを強く感じた。

スピッツ本というと、ロッキンオン・ジャパンのインタビュー記事をまとめた本もあるけれど、あちらが「音楽雑誌に対して語った気持ち」の連なりであるのに対して、こっちの本からは「スピッツというバンドはこういう風に変わってきて、これからも変わろうとしているのですよ」という、バンドの「気持ち」が伝わってきた。