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ホモ・ルーデンス - ホイジンガ

哲学・思想


Title: ホモ・ルーデンス (中公文庫)
Author: ホイジンガ
Price: ¥ 920
Publisher: 中央公論新社
Published Date:

実に中身が詰まった本。
「人は“遊ぶ”存在である」というのがこの本の趣旨で、そのためにまず“遊び”とは何ぞやというところから掘り下げていき、遊びが普遍的な文化的因子であることを綿々と語っている。

一口に“遊び”といってもいろんな解釈があるが、ホンジンガのいう“遊び”とは「日常生活や利害関係から離れ、人を惹きつけ、秩序と緊張状態を作り出すもの」だと感じた。本文の一部を引用すると、

「日常生活」とは別のあるものとして、遊びは必要や欲望の直接的満足という過程の外にある。(P.32)

遊びはものを結びつけ、また解き放つのである。それはわれわれを虜にし、また呪縛する。それはわれわれを魅惑する。すなわち遊びは、人間がさまざまの事象の中に認めて言い表すことのできる性質のうち、最も高貴な二つの性質によって充たされている。リズムとハーモニーがそれである。(P.36)

といった感じ。
65歳の知の巨人ホンジンガの“遊び”ということに関するありとあらゆる知見が収められているので、延々と濃い議論が展開されるので読み始める際には覚悟が必要だと思った。