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ラクダのコブのある自転車乗りになりたい - エンゾ・早川

スポーツ


Title: ラクダのコブのある自転車乗りになりたい
Author: エンゾ・早川
Price: ¥ 1,680
Publisher: 双葉社
Published Date:

共感できる部分が多い本。
著者が自転車にハマるようになるまでの半生記や、自転車遍歴とポジショニングの苦労話、そして彼が主催しているという「GIRO DI 箱根」なるプライベートな大会。そして、後半では自転車を通じて彼が経験・体得してきた人生論や宗教論が展開されている。

個性の強い人は、えてして強固な「自分流人生哲学」みたいなものを持っていることが多いけれど、著者もまさにそういったものを持っていて、この本の中で思う存分ぶっちゃらけている。

「ホリゾンタルフレームでシートポストが10cm以上出てるのがカッコイイ」とか、「コラムのスペーサーは25mmまでが許容範囲」とかの自転車系のネタはもちろん、自転車に直接関係のないあれやこれやの過激かつ雑多な話に関しても、普段から自分が考えているようなことにマッチすることが多くて楽しみながら読めた。

スペーサーに関しては、自分もつい最近になって35mmから20mmに落としたばかりだったので、妙に親近感を感じることができた。腰を立てた上で猫背にするポジションに関しても、もともと著者の本を読んで実践していたのだけれど、実際にすこぶる調子がよい。

著者が6年とか8年とかをかけて正しいロードレーサーのポジションを出したエピソードを聞く限りだと、自分のポジションに対する不満のなさはなんとも奇妙に思えてしまう。まだまだ熟成ができていないのかもしれないし、奇跡的にお店で出してもらったポジショニングがバッチリだったのかもしれない。