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宗教を現代に問う - 毎日新聞特別報道部

宗教・人類学


1970年代に毎日新聞に連載されていた記事をまとめた本。
三冊組で角川文庫から出ているが、どうやら絶版らしい。

新聞の記事らしく、「現代における宗教」をできるだけ生の姿で捉えようという強い意志が現れていて、非常に読み応えのある本(というか「記事」)。前後の繋がりがそこまでなくても読めるので、約半年の間就寝前読書の定番として枕元に置かれることになった。

これを読んで宗教が分かる、といった本ではないけれど(そもそもそんな本は存在しない)、実際に宗教が行われている現場に近づいていって、できるだけ詳しく、できるだけ客観的に「宗教」の姿を捉えようとしている姿勢には共感できる。現実にそこで実践されている「宗教」のありのままの姿を見ていくことで、「現代の宗教」の輪郭がおぼろげながらも浮かんでくるのだ。

もともと読み始めようと思ったのは、山本祐司さんの「毎日新聞社会部」なる記事の中で触れられていたから。山本祐司さんの本は「最高裁物語」も読んだけれど、ジャーナリズムというものに常に情熱を持って接していた人だなぁ、と感心させられた。