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人はなぜ老いるのか - レオナード・ヘイフリック

サイエンス・テクノロジー


「老いる」ということに関して、生物学的、医学的側面から詳細な意見が述べられた本。とても分かりやすく書かれているが、議論が詳細でボリューム感があるので一気に読むのはなかなかしんどかった(図書館で借りて3回延長したので、約2ヶ月近くかけて読んだことになる)。

老化とはそもそも何なのか、極限寿命、老化の縦断試験、そして「細胞は不死である」といった誤った観察に対する反証など、著者が関わってきた研究や、歴史上多くの人たちが試みてきた不死の技などがたくさん紹介されている。

科学というものは、何かを解明したり新しい可能性を提示することができるのと同時に、倫理的なものに対する脆弱性も持っているように思う。こと「老化」という問題に関して言えば、一般的な「科学的研究態度」で臨んでいけば済む、というものではない、というところに色々な難しさがあるように感じた。

Time flies like an arrow, fruit flies like a banana.