« 森と文明 - ジョン・パーリン | メイン | マクベス - シェイクスピア »

毎秒が生きるチャンス! - ランス・アームストロング

スポーツ


原題は"Every Second Counts"。

ランス・アームストロング、ごくごく簡潔に言ってすごい人だ。
すごい人だけど、すごい人なりに普通の人間としての顔もたくさん持っていて、ロードレースでの活躍の裏舞台と一緒に彼の本音が散りばめられた本書はなかなか読み応えがある。
前作の「ただマイヨ・ジョーヌのためでなく」でもそうだったけれど、恐らく、書き手が並々ならぬ実力の持ち主で、非常に入念な取材を行った上で本としての面白さが最大限に出るよううまく筆を運んだのだろう。

「ただマイヨ・ジョーヌのためでなく」は、ランスが癌から復帰してツールでの初優勝を決めるところまでが描かれているけれど、続編の本書は5年連続の優勝を決めるまでの過程が描かれている。5年目の部分はとってつけた感が強いので、実質的には彼の優勝後の3シーズンに関する本になっている。