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原子力と環境 - 中村政雄

地学・環境学


(気をつけて使えば)クリーンな資源として利用可能な原子力の議論から始まって、今後の文明社会がどういう風になるべきか、というあたりまでが説かれた本。

- 石油はいつか枯渇する
- 火力発電の代わりとなりうる実用的な発電方式は、今のところ原子力以外に存在しない

・・・という背に腹は変えられない事情が存在する限り、科学力及びエンジニアリング能力で解決できるところまでは頑張ってみる価値はあるなぁ、と思う。どうせ今更「あとになるとみんなが困るから、質素な生活をしましょう」なんて言い出したところで、素直に不便な生活に甘んじるような殊勝な人は少ないだろうし。

本の最後のほうはほとんど原子力とか関係なくて、日本式の過密文化がいかに世界のイザコザを解決する可能性を持った素晴らしいものか・・・みたいなことが書かれている。
世界中のみんなが空気を読み始めたら・・・、それはそれで面白い世界になりそうだけれど、正直言って、そうなるには時間がかかりそうである。