醜い日本の私 - 中島義道
経済学・社会学
相変わらず、日本の暮らしにくさや矛盾に対して、真正面から戦っている中島義道さんの本。
ヨーロッパ的社会の洗練された居心地のよさに気づいてしまうと、いつまでたっても日本の「世間型」社会の住みにくさやおかしさは目に付いてしまうものだ。僕が随分前から諦めて、逃避するようにつとめているあれやこれやについて、真摯な態度で正確なツッコミをいれ、とことんまで闘う彼の姿勢には見習うべきところが多い。
この人の本を始めて読んだのは「「対話」のない社会」だったろうか。「うるさい日本の私」からそこそこ時間が経って、氏本人の怒りと、怒る対象についての冷静な観察はますます冴えわたっている。もはや「うるさい」とか「醜い」とかそういう次元ではなくて、「日本の社会のこういうところがよくないからどうにかしようよ」的な主張の本になっている。
読みながら、自分の中で色々と考えることがあったので、メモとして残しておこう。
言葉に酔う
空間を切り取る
内側に閉じた言語空間
「世間の空気」を壊すことへの恐怖
「身内」と「身内以外」のはっきりとした区別
大人になること=本音と建前を正しく使い分けることができるようになること