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暴力の哲学 - 酒井隆史

経済学・社会学


途中からよくわからないタームや思想に惑わされて、延々と文字を追う読書になってしまった。それでも、前半で語られていた暴力論の歴史のようなものはとても興味深いし、難解だった後半でも時折「こういうことを言っているのかな?」と考えさせられるところがあったりして楽しめた。

キング牧師が言っていたという、「非暴力活動による緊張感の醸成」というのは彼の活動の核心をついていると思う。人が社会に影響を及ぼそうとするとき、誰しもが思い描くような直接的な方法よりも、ひとつの統一的かつ人の心を揺さぶる強力な「意志」を提示する行動こそが必要なのだと感じた。

暴力は非暴力。非暴力は暴力。
暴力とは、行為であり、人間の中に潜む「何か」なのだ。