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野生の思考 - レヴィ・ストロース

宗教・人類学


「構造主義」という考え方の基盤となった本らしいのだけれど、そんなことは置いといて、とても魅力的な本。

一般的に未開の民として理解されている人々の社会に存在する、興味深い言語世界や社会構造を次々と紹介し、呪術的だとか野蛮だとかいった理由で正しい解釈の対象になったこなかったこれらの構造を「野生の思考」という魅力的な名前の思想として確立している。
日本であれ欧米であれ、近代社会の中には今でも「野生の思考」をベースとしてシステムが存在するのだ、ということを言っている。

人類学という枠を飛び出して、人間社会一般に対して強いメッセージを持った素晴らしい本だと思う。