ヒトの変異 - アルマン・マリー ルロワ
サイエンス・テクノロジー
「ヒトはみなミュータントである」というのがこの本のメッセージだ。
重度の遺伝的障害(または変異)をもって生まれてきた(または死産した)ヒトを多くとりあげ、ときにはグロテスクな写真や絵も使いながら、本当に小さな遺伝子の組み合わせが信じられないような結果をもたらすことを紹介している。
高齢になってから発生する重度の遺伝子的欠陥は子孫にも伝えられる、という点も面白い。高齢になってから発症する病気の大半の多くは遺伝的欠陥であるとするならば、もし超高齢まで生きた人の子どもをかけあわせていくことができれば超超高齢まで生きる家族を作ることができるかも・・・とか、「美」とはつまるところ遺伝私的欠陥の少なさだから健康さに人は惹かれる・・・とか、やはり遺伝子は業が深い。
著者の名前が「マリー」だったのと、こういった内容を書きそうなのはフランス人かなぁ、と思っていたのとで勝手に「著者はフランス人の女性だ!」と勘違いしていたのだけれど、イギリス人男性であるということでびっくりした。