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順列都市・下 - グレッグ イーガン

小説・詩集


一日中暇していたのでサクッと読めた。

オリジナルでありながらコピーとして生きる気持ちを知ってしまったポール・ダラムは、世界中の富を握る大金持ちのコピー達から資金を集めて全く新しい方法によって永遠に生きる術を実践しようとする。
その新しい環境における全く新しい宇宙体系を創り出したプログラマー・マリア、そしてプロセッシングパワーが足りずに極めて限られた時間をコピーとして生きている故にダラムの計画した都市に密入国した二人組・・・。

人間の意識だけが仮想世界で生きることができたら(魂の不滅)どうなるのだろうか、という物語は数あれど、ここまで大胆に、ここまでリアリスティックに描かれた物語は他にないだろう。
最後のオチといい何といい、普段読まないSFにもこんなに面白い物語があるのか、と驚かされた。