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戯場戯語 - 板東三津五郎

演劇


主に歌舞伎に関係する人や物に焦点を当てた八代目板東三津五郎さんによる随筆集。

タイトル通り軽めで読みやすいものが多いけれど、さらっと書いた文章の中に著者の生きてきた役者人生がギュッと濃密に詰められているような気がしてとても読み応えがある。

「役者とは親の死に目にも、妻の死に目にも会えないものだ」という悲しい現実。底抜けに楽しい中に張りつめた緊張感を感じさせる舞台。そして昔気質の人たち・・・。
戦前・戦中・戦後にかけて大きく日本が変わってきた中で、変わらないように変わらないようにしてきた歌舞伎という文化を背負ってきた人による、とても味わい深い本だ。