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沖縄・先島への道 - 司馬遼太郎

旅行記・写真


相変わらず面白い「街道をゆく」。

沖縄が15世紀頃まで国家的な枠組みを持っていなかったことを初めて知った。
生活を便利にすると同時に精算余剰分を創り出した鉄がこの島々に伝わったのが遅かったから、という理由は多分にうなずけるものだ。

侵略され、統治していた大名に好きなように人頭税をかけられ、「日本」という近代国家が成立していく過程でも大きな犠牲を払い、しまいに「戦争」の直接的な被害者となった沖縄。
おおらかな歴史を持っていただけに、「日本」という国によって沢山のものを失った沖縄が今になって「独立」ということを言い出すのは、ある意味当然のことなのかも知れない。

この本の中で一番よかったのは、やはり竹富島の描写だ。
本土への返還によって始まった巨大資本による沖縄の開発をギリギリ逃れた島が今どうなっているのか、とても気になった。