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シマノ - 世界を制した自転車パーツ - 山口和幸

ノンフィクション


シマノがいかにして自転車業界の巨人となりえたかを描いた本。
全体的にダラダラした文体で飛ばし読みになってしまったのだけれど、内容は掴めた。

シマノはもともと自転車競技に対して対して興味のないような町工場で(これは堺という場所の特徴でもあるらしい)、勘の良い経営者が積極的に新しい設備の投資をしながら世界の自転車業界に対して挑戦を企てていった結果が現在に繋がっている・・・というのがこの本で語られている内容。

SISやSTIで自転車におけるギアチェンジの常識を覆したのも、ロードレーサー一辺倒だったヨーロッパの自転車業界と違って、アメリカで80年あたりに始まったマウンテンバイク(これは実はゲイリー・フィッシャー社の登録商標らしいのだけれど、創業者自ら一般名称として使うことを許可しているらしい)の流行に対して一番効果的に反応することができたのも、「ビジネス」を意識しながらも「遊ぶ」ことに対する嗅覚が会社上層部に残っていたことが大きい。

あくまで最終的な使い勝手・機能を優先し、エトランゼの視線で常識にとらわれずによりよい製品を作っていくことで今のシマノがあるのだな、ということがよく分かった。