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クルーグマン教授の経済入門 - ポール・クルーグマン

経済学・社会学


山形浩生さんの訳。
1997年当時の内容だけど、経済学が胡散臭い科学なんかじゃなくて、一応それなりに正当性を持った部分を持っているんだよ・・・ということを説明してくれる。

主にアメリカ経済の話をしているのだけど、どこの国でも一般的なインフレや不況、失業率等の関係で「実際のとこ、どうなのよ?」といった内容まで教えてくれるのでとてもありがたい。

- 各国間の貿易は、本来そこまで一国の経済に大きな影響を与えるものではない(心理的な面は大きいものの・・・)
- 保護貿易はそんなに悪いものじゃない
- インフレだって、そこまで悪いものじゃない
- ユーロはもともと共通通貨を作るのではなく、通貨レートを安定するための仕組みだった

ホンモノの経済では、純粋な資本や資産の動きだけでなしに、様々な情報とそれに付随する限りなくカオス的な状況によって「結果」がもたらされるため、事実を見ようとすれば見ようとするほど何がなんだか分からなくなってくる。
クルーグマン教授の素晴らしいところは、そこで一歩ひいた態勢から「フム、冷静に考えると実は・・・」という立場にいることなのだと思った。