« 凍 - 沢木耕太郎 | メイン | クルーグマン教授の経済入門 - ポール・クルーグマン »

ファウスト - ゲーテ

小説・詩集


前からずぅ~っと読もうと思っていて、ようやく読むことができた。

詩聖ゲーテが彼の人生の大半をつぎ込んで完成させた物語。
メフィストフェレスという悪魔が、ファウストという高潔な人物と契約してこの世の全ての快楽を与えることを約束する・・・。

もともと読もうと思い立ったのは、ユングの自伝を読んでいて、彼の子供(青年)時代にこの物語を読んで強い影響を受けた、というくだりを読んだから。
人間にとって途方もなく大きな「欲望」だとか「期待」だとか、そういったものを全て包み込んだ大きな物語であることは漠然と分かっていたのだけれど、詩的な美しさとスケール感、それにゲーテの人間に関する深い洞察が幾層にも積み重ねられた素晴らしい物語だった。

まだまだ物語の大きさに戸惑っていて自分のファウスト体験は全然地に足がついていないのだけれど、もう少ししばらくだけ、この素晴らしい余韻に浸ることで理解を深めて行ければよいと思う。
世界は美しい。