論語 - 孔子
哲学・思想
ついに、というべきか、ようやく、というべきか、「論語」を全て書き取るプロジェクトが完了した。
岩波文庫版のものなので、収録されていない巻があるような気もするのだけれど、2004年に初めて以来足掛け2年でようやく終わる「読書(?)」ってのも珍しい。
もともと論語を読もうと思ったのは司馬遼太郎か誰かが「日本人でちゃんと論語を読んでる人はいないのに、ステレオタイプな孔子の人物像ができあがってて云々」みたいなことを書いているのを読んで以来。そこからさらに「現代人の論語」なんかでさらに「論語」への理解を深めて取り組んだプロジェクトだったわけだ・・・。
一番印象的だったのは、
「子の曰わく、由よ、女にこれを知ることを教えんか。
これを知るをこれを知ると為し、知らざるを知らずと為せ。
是れ知るなり。」
の部分。孔子の合理的な思考を顕著に表していると思う。ソクラテスが若い頃に到達したデルフォイの信託にも似たところがあってとても面白い。
「人の幸せ」だとか「社会・国のあり方」なんていう複雑にこんがらがったものにタックルした人は、一般的にその人の存命中とそのあとの数世代はそれなりにきちんと理解され続けるけれど、そのあとの時代のゴタゴタや巨大な権力なんかによって乱用されたりしていくうちにオリジナルの精神性をなくしてしまうものが多い。
仏教もキリスト教も巨大権力と結びつくと同時に類まれな力を発揮してよいように作り変えられていってしまったし、これはそのほか一般の宗教や思想にも当てはまる。
そんな中、近代では「保守的」と攻撃されながらも上のような言葉を残している孔子という人は、宗教者だとか政治家というよりはどちらかというと中国式の哲学者だったのではないか、と感じた。