脳のなかの幽霊、ふたたび - V・S・ラマチャンドラン
サイエンス・テクノロジー
「脳のなかの幽霊」のラマチャンドランさんの本。
優秀な科学者が一般人向けにスピーチを行うリース公演で話した内容を本にしたものなので、全体的に内容は薄い。
ただ、駆け足で新しくて面白いトピックに触れているので、「脳のなかの幽霊」に比べてどんな新しいことが起きているのか、ということが分かるし、ポイントもつかみやすい。
個人的には、つい最近読んだ「脳は進化する」と内容がダブりすぎていたおかげであっという間に終わってしまった不完全燃焼な読書体験だったけれど・・・。
ラマチャンドランさんが言っているのは、つまりクオリアが生起する現象それ自体が「自己」であり「意識」の核なのではないか?・・・みたいなことだと思う。
他にも、ラマチャンドランさんらしい独創性溢れる脳の働きが紹介されているので、他の本を同じような事が書いてあっても飽きずに読める。
“「笑い」は「恐れ」の打ち消し効果として発達した”なんて意見はすごい面白い。「共感覚」に関する部分もとても興味深い。
これから脳医学が明らかにしていくであろう人間の脳の働きと意識への繋がりに少しずつキメを打ちつつある時代が来ているのだな、ということを強く感じた。