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嗤う日本の「ナショナリズム」 - 北田 暁大

経済学・社会学


題名には「ナショナリズム」とあるけれど、60-70年代から現代へと繋がる時代空気を社会学的に概観した本。
少し前に読んだ「カーニヴァル化する社会」とかぶるところが多いものの、こちらのほうが65倍くらい難解な書き方がされている。

連合赤軍の浅間山荘事件は名前だけ有名だけど、具体的にどういうことが起きていたかは知らなかった。勢いがなくなってしまった学生活動のグループが山に籠もり、「総括」という名の自己回帰的反省を一人歩きさせて仲間をリンチして・・・ってのはなんともお粗末な展開。
糸井重里さんが60年代はバリバリのカツドウカだったのは知らなかった・・・。彼も彼なりにその時代時代の空気に流されて生きてきて(というかあの時代は特に流されやすい時代だったのであろう)いたのだな、と思った。

大きな物語の損失やニヒリズム、それに・・・と社会学で扱うネタは哲学的なものから文化学的なものまで限りなく幅広い。
ちょっと盛りだくさんすぎて読むのが疲れるけれど、面白い本。