16歳のセアラが挑んだ世界最強の暗号 - セアラ・フラナリー
コンピューター
アイルランドの女の子が学業のコンテストで暗号学の発表をやったのを皮切りに、独自の公開鍵暗号の開発・実装まで手を広げ・・・という物語。
セアラの家庭環境はいかにもアイルランド風でのんびりしている。
お父さんは数学の先生、お母さんは微生物学の先生として大学で教えていて、5人兄弟の7人家族は農場の真ん中にある農家で暮らしていて・・・という具合だ。
子供時代に父から出されたクイズの話や、物事の本質を見極める才能に長けた母親のエピソードはとても印象的。
トランジションイヤー(中学から高校の間に1年間好きなことができる制度)を取ったセアラはお父さんが開いていた大学での夜間講座「数学への旅」に出席し、そこで数学の面白さを存分に知る。
セアラがコンテストで活躍し、ロン・リヴェスト(世界で初めて実用化された公開鍵暗号のRSAはMITの3人の科学者の頭文字を取ったもので、そのうちの"R"の人)から電話がかかってくるくだりや、一躍時の人になってしまった彼女の興奮ぶりが読み取れる文章はとにかく熱い。
**
数学が好きな人にたまらなく面白い読み物だと思う。
本の中で幾度となく触れられるサイモン・シンの「暗号解読」と「フェルマーの最終定理」が好きな人ならきっと世を徹して読みふけってしまうことだろう。
ちなみに英語圏では"Sara"を日本風に「サラ」と読み、"Sarah"は「セイラ」と読む。後者には少しだけ“ア”の発音が真ん中に入るので、「セアラ」も間違ってはいないと思うけど、個人的には少し違和感を感じた。